クリッピングから
讀賣新聞2020年5月30日朝刊
読者投稿欄「気流」 オンライン授業の利点
学生 ハートマン魁 17(東京都多摩市)
17歳の学生・ハートマン魁さんの投稿に
大いにうなずくものがあった。
その趣旨に僕も賛成だ。
以下に全文を引用する。
僕はインターナショナルスクールに通っているが、
新型コロナウイルスのため登校できず、オンライン授業を受けている。
授業が進むうちに、オンラインでも一人一人が
しっかり学べると思うようになった。
学校では、録画された動画を使った授業と、
ビデオ会議システムを使った双方向のライブ授業がある。
学習スピードが速い学生は、最低限の課題を終わらせれば、
録画で次々と新しい学習に挑むことができる。
また、テレビ電話で学生に個別に質問することもできる。
もちろん、友人との交流など、登校する良さもあるが、
今回のコロナウイルス禍をきっかけに、
全国的にオンライン授業の整備を進めるべきだ。
将来的には、海外の学校と提携して、
他の国の授業も受けられるようになると面白いと思う。
同じ30日付讀賣朝刊に
スタディサプリ教育AI研究所長・小宮山利恵子さんが
インタビューに答えている。
教育へのICT(情報通信技術)の導入が急速に普及しています。
休校を機に、教師がオンラインでホームルームや授業をする動きが
広がりつつあります。
私たちが手がけるオンライン学習サービスにも
自治体から問い合わせが増え、
3月以降の新規申し込みは、
小中高など600校、児童・生徒30万人を超えました。
ICT教育は、地理的・経済的な学習環境の格差を乗り越えます。
不登校や長期入院の子供たちの学習も可能で、
教育に機会の平等をもたらします。
それには、パソコンなどの学習用端末や通信機器を
等しく行き渡らせることが前提となるので、
自治体や国は速やかに取り組むべきです。
日本のICT教育の遅れは、教室で行われる学校教育に「成功」し、
新たなツールの必要に迫られなかったことが要因でしょう。
(略)
オンライン学習では、教える側に必要なスキルが従来の学校教育と異なり
学習内容の質の確保が課題になります。
何より、受講する子供の意見も踏まえ、
「どこで飽きられたか」を分析し、学習動画を絶えず改善する姿勢が大切です。
(略)
家での学習時間が増えれば、家庭でもするべきことがあります。
それは、親自身が学ぶ姿勢を子どもに見せること。
読書でもいいし、横で一緒に勉強してもいい。
親の「行動変容」も必要です。
(聞き手・森田啓文)
僕も2020年1月からスタディサプリ受講を開始し、
村山先生の世界史、関先生の英語などの超人気講座を
楽しみながら学んでいるところだ。
2013年、石倉洋子先生主宰のグローバルアジェンダセミナーに通っていたとき、
英語ベースのオンライン学習コミュニティCoursera(コーセラ)の存在を
教えてもらった。
世界各国の「級友たち」と、インターネットの構造、
ウェブデザインやプログラミング基礎、宇宙物理学、国際政治学、
ゲーム理論をそれぞれ数ヶ月単位のコースで学んだ(2014-16年)。
目ウロコの機会だった。
ほとんどの講座が無料、もしくは格安、
受講料が支払えない人には奨学金制度も完備されていた。
ハートマン魁さんの投稿を読み、意欲、基本設備に加え、
教え教えられる、支え支えられる人間関係が構築できれば
学びの世界の拡張・充実はこれからの社会に生きる僕たちの
有力な道具、武器、財産になると確信した。