ヨゼフ・ルクル・フロマートカ『人間への途上にある福音』(2014)


どうもキリスト教は肌になじまず、
神学の本を読んでもなかなかピンとこない。
同志社大学・佐藤優通年講座「神学的思考とは何か?」教科書
ヨゼフ・ルクル・フロマートカ
『人間への途上にある福音—キリスト教信仰論』
(平野清美訳/佐藤優監訳)(新教出版社、2014)を読み終える。
フロマートカはチェコ神学者


人間への途上にある福音

人間への途上にある福音


監訳者解題から引用する。


   私がこの著作に初めて触れたのは、
   1980年夏、同志社神学部二回生のときのことだった。
   夏休み期間中、神学館二階の研究室に通って、
   独和辞典と首っ引きで本書のドイツ語訳
   Das Evangelium auf dem Wege zum Menschen,
   Luther Verlag/Witten, 1963 を読んだ。
   (東ドイツでは、1961年に同じ翻訳で刊行されている)。
   この本が、私の一生の方向性を定めたと言ってもいい。
 

全世界のキリスト教信者は20億人を超えている。
イスラム教徒16億人、ヒンドゥー教徒10億人と比較し、
最大の信徒数を持つ宗教だ。
一方で日本では明治維新以降に
人口比1%を超えたことは一度もない。
信仰しなくとも知識としてキリスト教を理解しなければ
現代世界を動かす力は把握できない
と佐藤講師は講義で力説する。


(もう一冊の教科書はフロマートカ自伝。著者の信仰の時代背景を知る)


今年5月から来年2月まで
月1回全10回の講座に僕が通っているのは、
世界を読み解く力を上げたいからだ。
肌にはなじまなくとも、
宗教に対する知見は教養の一部として整備しておきたい。
佐藤講師は東京サテライトキャンパス3年目の講義として
満を持してフロマートカを取り上げたはずなのだ。
受講生の多くはその準備として
ナショナリズムと国家」「キリスト教ナショナリズム」講義を
2年間に渡って学んできた。


(2015-16年の同志社講座をまとめ、加筆した新書が発売された)


wikipedia:ヨセフ・ルクル・フロマートカ