プチ鹿島『芸人式新聞の読み方』(幻冬舎、2017)


年の瀬に、思いがけずいい本に出会った。
新聞をどう活用するか、著者の「下世話な」視点が有益だ。
プチ鹿島『芸人式新聞の読み方』(幻冬舎、2017)を読む。


芸人式新聞の読み方

芸人式新聞の読み方


「はじめに」から引用する。


   新聞は、キャラが違うからこそおもしろい。
   書いていることがバラバラだからこそ、
   読み比べる楽しさがある。
   本書では、その楽しみ方のコツを、
   わずかながらみなさんと共有したいと思う。


   次にまた『朝日』と『東スポ』の見出しが同じになる日がきたら、
   それは日本が何か深刻な状況になっているときだろう。
   新聞のそれぞれ違う価値観を味わえる日々が続くことを、
   下世話に願いたい。


次に「おわりに」から引用する。


   しかし、世界にはマルかバツか、
   白か黒かで割り切れる真実など存在しない。
   偏っているからこそ見えてくる嘘や、
   いかがわしいからこそわかる本当が、
   ほころびのように顔を現すのだ。
   この世界が、白黒つかないグレーなものであることを恐れるな。
   そして、行間を読み、疑うことを楽しむ余裕を取り戻そう。
   (略)


   もっとたくさんの視点を受けとめよう。
   楽しもうではないか。



勤務しているオフィスで読める「日刊スポーツ」を
久しぶりに手にしてみた。
確かに、朝日・讀賣だけを読んでいては見えてこない視点が
そこにあった。



(ひまわりの種を置くと、シジュウカラ、スズメが来店)


プチ鹿島はオフィス北野所属。
殿・北野武の元には多彩な才能が集まってますね。
懐が深いなぁ。


(池上・佐藤の著書を連読すると新聞の読み方が深まる)


(文中敬称略)