同志社講座2018「宗教改革とは何か?」(佐藤優講師)
の教科書に指定された。
今年もなかなか手強い。
三回通読しないと腹落ちしないだろうな。
ヨゼフ・ルクル・フロマートカ/平野清美訳、佐藤優監訳
『宗教改革から明日へ—近代・民族の誕生とプロテスタンティズム』
(平凡社、2017)を読む。
宗教改革から明日へ: 近代・民族の誕生とプロテスタンティズム
- 作者: ヨゼフ・ルクルフロマートカ,Josef Lukl Hrom´adka,平野清美,佐藤優
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2017/12/26
- メディア: 単行本
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この本をいま講義で取り上げる意義は
「監訳者まえがき」を読むと分かる。
ルター自身は、中世的な枠組みで思考していた。
しかし、彼の信仰的良心に基づく行動には、
中世的世界観を根底から覆すエネルギーがあった。
ドイツのルター、それに続くスイスのツヴィングリ、
カルヴァンによる宗教改革がなければ、
近代は生まれず、資本主義が生まれることもなかった。
(p.4)
ルターらの16世紀の宗教改革のおよそ100年前に起きたのが、
フスを中心とするチェコ(ボヘミア)宗教改革だ。
実は、ローマ教皇がキリスト教世界のトップである
という教皇首位権を否定し、
教皇によるヒエラルキーに基づかない
目に見えない教会が存在することを堂々とフスが主張したことが、
宗教改革の起源なのである。
(p.4)
宗教の世界、キリスト教の世界を
頭で合理的に理解しようとするのは難しい。
こうした思考が、近代が終焉を迎えつつあるいまも
世界を支配していることは否定しがたい。
米国でトランプ大統領が選出され、いまも支持が続くことは
その一つの現れに過ぎない。
世界の変化の解読には、避けられない領域だ。
- 作者: 共同訳聖書実行委員会
- 出版社/メーカー: 日本聖書協会
- 発売日: 1998/04
- メディア: 単行本
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本講座の教科書の一冊である聖書も折に触れ、
紐解くようになった。
確かにそこに、どうしようもなく人間が存在し、
人間性が語られていることは分かる。
不信仰を責められる気がするので、
一度に大量に読むことはせず、ポツリポツリと拾い読む。
宗教は民衆の阿片だとマルクスも25歳の時の論文
「ヘーゲル法哲学批判・序説」で言っていることだしね。
本書出版が宗教改革500周年に
間に合ったことを祝福したい。
編集: 吉田真美(平凡社)
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 新教出版社
- 発売日: 2009/04
- メディア: 単行本
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- 作者: ヨゼフ・ルクル・フロマートカ,佐藤優,平野清美
- 出版社/メーカー: 新教出版社
- 発売日: 2014/08/01
- メディア: ムック
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