プーチン発言背景を朝日・駒木記者が推理した


ロシア情勢については
元モスクワ特派員・駒木明義記者の記事が信頼が置ける。
スクラップブックから
朝日新聞2018年10月5日朝刊
社説余滴 プーチン提案を招いた演出


   「年末までに平和条約を結ぼう」
   ロシアのプーチン大統領はなぜ、突然こんなことを
   言い出したのだろうか。
   (略)


   安倍氏自身が「変化球」だったと認める
   プーチン氏による突然の提案の引き金を引いたのは、
   私の見るところ、安倍氏がその直前に行ったスピーチだった。
   平和条約について、
   「今やらないで、いつやるのか」とプーチン氏に迫った。
   さらにたたみかけるように、
   外国の代表団が大勢いる満場の聴衆に拍手を促したのだ。
   (略)


   そもそもロシアは、
   平和条約交渉に日本が第三者を巻き込むことを嫌う。
   ソ連崩壊直後には、
   日本政府が強引にG7サミットの政治宣言に
   北方領土問題を盛り込んだことにロシアが強く反発し、
   態度を硬化させたこともあった。
   (略)


   結局のところ、芝居がかったパフォーマンスは、
   目の前のプーチン氏に向けたものというよりも、
   テレビ越しに日本の人々に見せようとしたのではないだろうか。
   自民党総裁選を意識して、
   外交への熱意を印象づけようとした演出が裏目に出た。
   そんな顛末(てんまつ)だったように私には見えた。
                      (国際社説担当)



なるほど、プーチン発言背景に
こういう見方もあるのかと駒木記事は教えてくれた。
他の報道記事だけでは見えなかった視点だ。


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