世界のシステム全史を描く着想

クリッピングから
朝日新聞2019年9月13日朝刊
世界システム論 壮大な試み
ウォーラーステインさんを悼む
川北稔・大阪大学名誉教授


  ウォーラーステイン
  その主著『近代世界システム』第1巻を上梓(じょうし)した1974年には、
  ベルリンの壁も、ソ連邦も厳然として存在していた。


  したがって、現代世界を、
  社会主義圏も含めて巨大なひとつのシステムとして考え、
  このシステムの全史を描きだそうとする彼の着想を理解する者は、
  世界的にも多くはなかった。


  しかし、以来、半世紀、
  いまや「グローバル化」は日常会話でも、
  陳腐な表現とさえなっている。
  「世界システム」論の透徹した論理性はいまでも衝撃的でさえある。
  (略)


  ウォーラーステインの影響は、
  社会学をはじめ、社会科学のあらゆる分野に及んでいるものの、
  歴史学の立場からいえば、大量の個別研究を踏まえた、
  壮大な近代史叙述を自ら試みた点に、その特徴がある。


  最後まで意欲を燃やしていた主著第5、6巻は完成しなかったが、
  膨大な数の他の著作とあわせて、
  彼の思い描いた第1次大戦以後の世界史像を想定することは、
  それほど困難ではない。
  (略)


  時事的な問題にも積極的に発言してきた彼は、
  東日本大震災にも重大な関心を寄せていた。
  20世紀転換期のアメリカの良心を象徴する人物のひとりであった。
                           (寄稿)


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ウォーラーステイン世界システム分析について
これまで学んだことはなかった。
さて、どの門から入ってみようかな?


入門・世界システム分析

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知の教科書 ウォーラーステイン (講談社選書メチエ)

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資本主義に未来はあるか──歴史社会学からのアプローチ

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wikipedia:en:Immanuel Wallerstein