日本再建に情熱を傾けたい気持ちは今の方が強い(中村喜四郎)

クリッピングから
朝日新聞2019年10月4日朝刊
インタビュー 保守政治家が選んだ道
自民は権威主義化 自浄能力は絶望的 強い野党育てねば
元建設相・衆院議員 中村喜四郎さん


僕が動向を注目している政治家のひとり、
中村喜四郎さんが珍しく朝日のインタビューを受けました。


f:id:yukionakayama:20191004124857j:plain:w350


  自民党で将来の首相候補と目されながら、汚職事件で逮捕、失職
  という逆境を経験した中村喜四郎衆院議員。
  いま、無所属の立場から安倍政権に対抗できる「強い野党」づくりに取り組む。
  なぜ古巣に弓を引くのか。野党を後押しした先に見据えるものとは。
  自他ともに認める保守政治家が、長い沈黙を破ったその理由とは—。


  —ゼネコン汚職事件で1994年に逮捕され、最高裁まで争いましたが、
   2003年に実刑が確定し、失職しました。
   この間、貫いてきた沈黙を破って、インタビューを受けた理由は何ですか。


  「刑事事件がありましたからね。
  事件のことをああでもない、こうでもないと語っても意味がない。
  だから20年近く何もしゃべりませんでした。
  だけど、日本はもう限界だなと思った。
  このままでは国が壊れてしまうと考え、野党に協力することにしました。


  有権者は、私を自民系の政治家だと見ています。
  野党にかじ切った理由を伝えなくてはならないと思いました。
  自民党は変わってしまった」
  (略)


  「権力を握る者は、権力に抑制的でなければならない。
  反対意見をきちんと聞く。失敗したら自己批判もする。
  昔の自民党はそういう大人の政党でした。
  良くも悪くも派閥均衡型で、全員野球をめざすことが党運営の基本でした。
  批判もありましたが、活気があったことは間違いありません。


  いまは権力への抑止力がなくなっている。
  非常に恐ろしいことです。
  民主主義が壊され、独裁的な体制にも入りかねないと思っています」
  (略)


  —中村さんは衆院選で14勝無敗。うち8回は無所属で勝ち、
  「選挙の達人」とも呼ばれます。
  野党の選挙をどうみますか。


  「風を頼りにしている。どうやってパフォーマンスをするか、
  一発芸みたいなことを皆で考えようとする。
  風がやんだらいつも党から人が離れる。
  地道な選挙、政治活動をやって、
  力を蓄えながら与党に迫っていかないといけない。


  政治は瞬間でなく、少し長いスパンで物事を考えなくてはいけません。
  10年がかりでもう1回政権を取り戻す、
  そのためにこういう選挙をやっていくんだというスケジュールをきちんと示し、
  気持ちを結集しなければなりません」
  (略)


  —無所属で活動中ですが、
   たとえば立憲民主党に入る可能性はありますか。


  「私はまだ無所属でいます。
  その方が選挙協力を野党の皆さんにお願いしやすい。
  刑事事件で有罪になった人間です。
  その間、地元の人や国民に迷惑をかけ通した。
  それを取り戻すには無心で頑張るしかない。
  日本再建に情熱を傾けたい気持ちは、
  最初に当選した時よりも、今の方が強いです」
                      (聞き手・寺本大蔵)


f:id:yukionakayama:20191004124155j:plain


ブレがなく、筋が通った発言をする政治家が
日本にもまだ存在することを心強く思う。
中村喜四郎衆院議員は大学卒業後、田中角栄元首相の秘書を務め、
27歳で衆院選議員初当選、40歳で初入閣。
ゼネコン汚職で逮捕・失職後、2005年国政復帰。