クリッピングから
讀賣新聞2019年11月4日朝刊
読売歌壇(俵万智選)
好きな句を拾ってみる。
秋の日のないしょ話をするように
金木犀のどこかで香る
平塚市 小林真希子
音の響きはあっても中味までは聞き取れない。
「ないしょ話」のひそひそした感じが
秋の日にはふさわしいと思いました。
「どこかで香る」の「どこかで」も
ひっそりとした印象をより強める言葉づかいですね。
気まぐれな生き物となり街なかの
風に吹かれるビニール袋
八千代市 清水重男
このところ環境破壊の原因として
すっかり悪者にされているようなビニール袋。
役に立つといってさんざん利用してきたのは誰でしたっけね。
どこ吹く風と「気まぐれな生き物」となったビニール袋に
つい共感したくなる一句でした。
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