池上彰・佐藤優『知的再武装 60のヒント』(文春新書、2020)

腰巻きのコピーはこうだ。


  「45歳の折り返し地点」と「60歳の壁」をいかに乗り越えるか。
  達人2人が明かす秘中の秘!


池上彰佐藤優『知的再武装 60のヒント』(文春新書、2020)を読む。


知的再武装 60のヒント (文春新書)

知的再武装 60のヒント (文春新書)


目次から僕が気になったヒントをピックアップしてみる。


  ヒント22 45歳を回ったら新しいことは頭に入らないのが普通。
       最初から自分の頭はバケツではなくてザルなんだと自覚すること


  ヒント26 知人に話すときは四十秒一本勝負。頭の体操になる


  ヒント27 理解するためにものすごい時間がかかるものは、
       中高年は捨てなくてはならない


  ヒント34 健康は衰えていくことを前提にする。
       健康においても勉強においても、いつまでも前のめりで行くのはやめる


  ヒント42 仲間との勉強会を成功させるコツは、
       会自体をなくす仕組みをはじめから作っておくこと


  ヒント50 怖がる必要のないものと怖がるべきものを峻別する


  ヒント56 配偶者との対話術を60代でもう一度訓練し直す。
       定年を迎えてから、特に最初の三ヶ月が正念場


  ヒント57 会社を一つの有機体として見ると、
       その有機体はあるところで新陳代謝するシステムになっている


  ヒント59 物忘れとは戦わなくていい。
       朝きちんと着替えて、面倒くさくてもヒゲを剃る。
       一日に一度は必ず外へ出る


  ヒント60 60歳や65歳からは、
       新しい人生を作っていくことに注力すればいい


よほど相性がいいのか、
二人の共著はいつもテンポよく、広く深く具体的だ。
目次が見出しとして機能し充実しているのは
文春新書・石橋俊澄、前島篤志の編集力だろう。
全体を括るキーワード「知的再武装」の発見が
本書構成の見晴らしをよくしたと思う。


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ヒント56は、お二人の実感・経験に基づく発言にうなずき、
特に身に沁みましたです。ハイ。