そのことがまさに、老いの入り口なのだろう(俵万智)

クリッピングから
讀賣新聞2020年12月21日朝刊
読売歌壇(俵万智選)


今週も好きな歌3首、抜き書きします。


  「お時間に限りがあります」
  店員のセールの声に老後を思う

        吉野川市 喜島成幸


     【評】タイムセールの場面。
        店員の何気ないひとことが、
        人生を言い当てる言葉として響く。
        そのことがまさに、老いの入り口なのだろう。


万智さんの評が鋭すぎますね(苦笑)。
ドキッとしました。


  Aくんが時速5キロで15分
  歩いた夜の孤独を述べよ

         神戸市 若杉有紀


たった15分という時間に
夜の孤独が忍び込むのが青春。


  肉じゃがを温めなおし風呂沸かし
  Line光りて帰る子を待つ

         船橋市 矢島佳奈


待つのが夫でなく子であることに
母を感じました。


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未来のサイズ

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  • 作者:俵 万智
  • 発売日: 2020/10/02
  • メディア: 単行本