クリッピングから
朝日新聞2021年1月19日朝刊
小中高生の「書」/書く テーマ「推(お)し」
「いける!」心の声を信じて
世田谷区立砧小学校4年 小松崎花(9)
それまでできなかったことが、
突然できるようになった感覚。
そのとき世界が変わって見えた驚き。
いいなあ。
わたしは、三年生の体育の授業でのぼりぼうに登れなくて、
とてもはずかしい思いをしました。
なので、友達にも手伝ってもらいながら練習しました。
でも、ある子に「できるわけないじゃん」といわれて、
はずかしくなり、あの子がいったとおり
「できるわけないんだ」と練習をやめました。
でも、なかよしの友達の
「あきらめずにがんばろう。花ちゃんならできるよ」という言葉が、
わたしの「てっぺんまで登りたい!」という気持ちをつれてきてくれました。
何度も練習して、半分まで登れました。
「いける!」。
心の声を信じて登り続けました。
気づいたらてっぺんまで登っていました。
みんなにほめられて、とてもうれしかったです。
高いところはこわかったけれど、登ったら平気でした。
のぼりぼうのとなりに「百年桜」があります。
いつも見上げている百年桜を上から見たら、
赤や黄色になった葉っぱがとてもきれいでした。
花ちゃんを信じて応援してくれた友だちが素晴らしい。
別の子の「できるわけないじゃん」の言葉には傷ついただろうけど、
だからこそ、乗り越えたときの喜びは大きいよね。
おめでとう、花ちゃん!
意地悪言った子を許してあげてね。