言葉のパワーを駆使して、地球規模の課題に向き合う(為末大)

クリッピングから
朝日新聞2021年5月1日朝刊別刷be
<私の The Best!> 世界を変えるちっちゃな一歩
元陸上選手 為末大さん


  米国スタンレー社の水筒です。
  こぼれず、洗いやすく、保温はバッチリ。
  指にひっかけられるのも気に入ってて、1日3、4杯、
  コーヒーを買って飲む時、ここに入れてもらいます。


  水筒は、飛行機移動が多かった
  米国滞在中の10年以上前から探してきました。
  でも漏れちゃうんですよね。
  1年前、やっと理想の品に出会いました。


  実はコロナ禍になって、
  都内から海辺のマンションへ引っ越したんです。
  今6歳の息子が虫を怖がり、こりゃいかんなと。
  こっちに来たら、トカゲを手でつかめました。


  保育園ではたき火のつけ方を学び、
  冬も裸足で駆け回る。
  住む場所が子どもに与える影響って、
  本当に大きいですね。


  僕自身、都心近くに住んで
  人と交流しなければ、と思っていました。
  でも会食は前年比5%に激減した。
  転居してから朝5時に起き、海に出て、
  オフィスを兼ねた自宅に戻って仕事します。


  朝食は僕の担当、夕食も週2回作り、夜10時に寝る。
  自然が身近なアウトドアモードに変わると、
  前はずいぶん余計なことをしていたと思います。


  昨年、スポーツを通じて社会貢献に取り組む
  国際組織「ローレウス」のアンバサダーに選ばれました。
  人種差別に抗議した大坂なおみ選手が示したように、
  アスリートの言葉は絶大なパワーがある。


  環境やエネルギーの問題が重要性を増す今、
  金メダルを取って「うれしいです」だけでは正直弱い。
  日本の選手がもっと言葉のパワーを駆使して、
  地球規模の課題に向き合うようなムーブメントを僕は促したいんです。


  なので元選手の僕自身も水筒を持ち歩く。
  本当にちっちゃいことですが(笑)。

              (聞き手・高橋美佐子、写真・加藤諒


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おっきいことも、ちっちゃいことも
自然体で語る為末さん自身に「言葉のパワー」を感じます。
スタンレーの水筒、欲しくなっちゃったな。


為末メソッド 自分をコントロールする100の技術

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  • 作者:為末 大
  • 発売日: 2021/03/18
  • メディア: 単行本