文化放送「大竹まことゴールデンラジオ!」の
木曜パートナーを務めていた光浦靖子。
光浦の最新刊『50歳になりまして』(文藝春秋、2021)を読む。
(装丁/大久保明子、装画・カット/死後くん)
「はじめに」から引用する。
私は2020年4月から
カナダに留学するつもりでした。
とりあえず行ってみて、
こりゃ自分に向いてるぞ、となったら
長期で休もうかなと考えておりました。
行ってみなきゃわからないので、
言葉を変えればすぐに逃げ帰るかもしれないので、
レギュラー番組のスタッフさんと
数人の友人にしか伝えてありませんでした。
が、コロナがやってきて留学は中止になりました。
そこから妹宅に2ヶ月半ほど居候するのですが、
その時やってきた仕事が「ボクらの時代」です。
相方の大久保さん(引用者注:大久保佳代子。二人で「オアシズ」を組む)
といとうあさこと、アラフィフ独身3人が
この緊急事態宣言下、どうしているかを
リモートで話してほしい、というリクエストでした。
そこで「実は留学中止になったんだ」と話すと、
それを見ていた「徹子の部屋」からオファーが来ました。
「留学が中止になった話をしてください」と。
で、その徹子の部屋のオンエアを見た『月刊文藝春秋』から
「留学を決めた理由を書いてください」と依頼が来ました。
で、書いたら「ウェブにも載せていいですか?」
と言われたのでオッケーしたら、それがバズりました。
(略)
この1年、私はずーっと気を張って
家でリラックスしていました。
何も考えるな、想像するな、と気を張ってゴロゴロしていました。
ただ時間を浪費している。
時間を捨てている。
わかっているから。
去年(引用者注:2020年)の11月です。
留学のエージェントの人と話をし、ワクチンも年末にできるし、
今年の夏より来年の夏が悪くなるはずはない、という読みで、
とりあえず2021年の7月にカナダ留学にリトライしよう、
ということになりました。
心の拠(よ)り所が見つかりました。
心の中に西遊記の画が浮かびます。
私の三蔵法師と猿と豚とカッパが意気揚々と歩いています。
♪ そこに行けば〜どんな夢もかなうというよ〜。
カナダが私のガンダーラなのだ。
(略)
(pp.5-8)
光浦は留学中、月一回ペースで
「ゴールデンラジオ!」にリモート出演することになった。
この日はヴァンクーバーから初登場。
(大竹さんは祝日は番組をお休みするので、すれ違い)
コロナ検査の待機期間中の苦労や、
英語学校の19歳のクラスメート、エクアドル人女性の話を聞かせてくれた。
次回(8月?)は大竹さんとの丁々発止のやりとりが楽しみだ。
(手芸の特技に磨きがかかって、文藝春秋から同時発売された最新刊)