したいことと させられていることの区別が つかなくなる(鷲田清一)

クリッピングから
朝日新聞2022年4月9日朝刊
折々のことば(鷲田清一)2345


  忙中閑あり

      ことわざ


  しないでいいことばかりさせられて忙しいのは
  御免(ごめん)だが、
  したいこと、すべきことがまったくないのも辛(つら)い。
 

  「忙」がもし心を亡くしていること、
  心ここに在らずということだとしたら、
  いちばん怖いのは、
  したいこととさせられていることの区別が
  本人にすらつかなくなること。
  

  とはいえこのところ、
  コロナ禍で「忙」と「閑」が反転し、
  「閑」からもときめきが失せている。


f:id:yukionakayama:20220412132650p:plain:w450