熱(ほとぼ)りをさますため、しばし忘れ、放置しておく(外山滋比古)

クリッピングから
朝日新聞2022年8月6日朝刊
折々のことば(鷲田清一)■ 2460


  考えごとをしていて、テーマができても、
  いちずに考えつめるのは賢明ではない。
  しばらく寝させ、あたためる必要がある 

               外山滋比古


    一つの問題をじっと見ていると、
    視野が狭まり、思考が行き詰まる。
    そういう時は熱(ほとぼ)りをさますため、
    しばし忘れ、放置しておくこと。
    中心から周辺部にいったん移すのだ。


    すると、思考の縛りが解けて、
    他のアイデアとの思いがけない繋(つな)がりが
    閃光(せんこう)のように浮かぶことも。
    弛(ゆる)めることの大きな効用。
    英文学者の『思考の整理学』から。