『知の超人対談ー岡本行夫・佐藤優の「世界を斬る」(高畑昭男編著)』(産経新聞出版、2009)

13年前に出版された本だが
今読んでも少しも鮮度が落ちていない。
『知の超人対談ー岡本行夫佐藤優の「世界を斬る」(高畑昭男編著)』
産経新聞出版、2009)を読む。



目次を紹介する。


  はじめに(高畑)

  第1章 21世紀の世界の展望

  第2章 冷戦後の世界と新帝国主義

  第3章 国家とナショナリズム

  第4章 アメリカの民主主義、ロシアの民主主義

  第5章 国家の力の源泉はどこから?

  第6章 外交官とは何だろう

  第7章 沖縄問題の真実

  第8章 イスラム、中東世界、そして日本

  第9章 新冷戦が始まったのか?

  第10章 欧州とロシアーー永遠のすれ違い?

  第11章 オバマアメリカが始まる

  第12章 2009年 オバマと世界

  おわりに(高畑)


全12回に及ぶ対談の最後に
二人が語ったことを引用する。


  岡本 この対談は、
     佐藤さんというたいへんにいいパートナーを得てね、
     僕自身の知識も広がったし、
     物事の優先順位を読者自身がつけていくうえでの一助になれば、
     もうたいへんに有難いことだと思います。


  佐藤 私も、ものの考え方を固めるのに非常に役に立ちました。
     同時に、おべんちゃらじゃないけれども、
     産経新聞も岡本さんもリスクを取ってくれた。
     多分それだから面白いものになると思う(笑い)。


     産経が今ここのところで偏狭なナショナリズムの危うさと、
     それと同時に日米同盟の重要さをカチッと組み立てをやっていかないと、
     ほかのところはどこもできないと思う。
     だから例えば沖縄が割れてしまうような方向ではない方向へ
     論陣を張ってほしいと思うんです。
     アイヌの問題でも、ロシアにつけ込む隙を与えないような
     論陣を出してほしい。


     ほんとに国益を中心とする新聞って重要だと思うんです。
     その可能性を十分に果たしてくれているけれども、
     国益というところが偏狭なナショナリズム
     ショービニズム(排外主義)になってしまうと、
     この落とし穴が怖いところだと思う。
     「反米攘夷」とか、とんでもない話ですよ。
     冗談でも言わないほうがいい。

                        (pp.301-302)


この対談は産経新聞・住田良能社長、斎藤勉編集担当常務
(いずれも当時)のリーダーシップ、サポートによって実現した。