朝の食事が鍵を握る

クリッピングから
朝日新聞2023年4月22日朝刊別刷be
「元気に キレイに」時間栄養学


  何をどれだけ食べるか、だけでなく「いつ食べるか」に着目する
  「時間栄養学」の研究分野が、近年注目を集めている。
  普段の生活にどう取り入れると、より効果的なのか。
  専門家に尋ねると、鍵を握るのは朝の食事だった。
  (略)



  脳の視床下部
  視交叉上核(しこうさじょうかく)という部分にある「中枢時計」は、
  太陽の光が目(網膜)を通じて入ると
  「朝になった」と脳が認識してリセットされる。
  一方で、肝臓や肺、腸など各臓器も
  それぞれに「末梢(まっしょう)時計」を持つ。


  末梢時計がばらばらに動くと
  病気を招いたり体調を崩したりするもとになると考えられているが、
  中枢時計が司令塔となって全身に「いま何時」という情報を送り、
  体内時計を調整している。
  (略)


  光の刺激にあわせ、
  食事のタイミングや内容をうまく使えば時計をスムーズに動かせるため、
  起床後の最初の食事(朝食)が大きな役割を果たす。
  (略)


  これはシフト制の職場を経験するような人にも応用できる。
  例えば、夜勤の前にはしっかり食事を取り、
  勤務終了後に眠る前は食事を軽めにすることで
  体内のリズムを調整できるという。


  仕事柄、夜型になりやすい記者の食生活は、
  理想から大きく外れている。
  この機会に軌道修正を試みたい。
  (略)

                   (熊井洋美)