テロ対策課題は、人間のエゴ、組織のエゴ（ボアズ・ガノール）

スクラップブックから
朝日新聞2018年1月11日朝刊
オピニオン＆フォーラム　テロやまぬ世界で
対テロ国際研究所長　ボアズ・ガノールさんインタビュー

カウンター･テロリズムについて
的確なタイミングで、的確な専門家に朝日がインタビューした。
読み応えがある記事だ。

　　　（略）
　　　テロとは何か。
　　　人はなぜ、テロを起こすのか。
　　　2年後に東京五輪・パラリンピックがある日本はどう考え、
　　　行動すべきなのか。

　　　平昌（ピョンチャン）五輪も2月に迫るなか、
　　　テロ対策の権威で、世界の情報・治安当局に助言をしている
　　　ボアズ・ガノールさんに、イスラエルの研究所で聞いた。
　　　（略）
　　　

　　　テロを防ぐには、
　　　インテリジェンス（情報収集・分析活動）が必要です。
　　　インテリジェンスとは、パズルのピースを与えてくれるもの。

　　　全体の絵を描くためにできるだけ集め、組み合わせ、
　　　足りないピースを埋める方法を見つける。
　　　多くの知識と経験が不可欠です。
　　　（略）

　　　インテリジェンス機関は情報を抱え、
　　　他者と共有したがらない傾向があります。
　　　（略）

　　　国内外の治安機関や安全保障の専門家などが一堂に集まり、
　　　情報や難問を共有し、一緒に解決するのです。
　　　ただ、これは人間の本能に反すること。

　　　テロ対策の課題は何か。
　　　それは、人間のエゴ、組織のエゴです。
　　　エゴを乗り越え、お互いに協力してこそ、
　　　成功を収められます。
　　　（略）
　　　　　　　　　　　　　　　　　（聞き手・渡辺丘、笠井正基）

邦訳『カウンター･テロリズム・パズル』（並木書房）が
近く刊行予定。
著者の友人である佐藤優さんが
監訳、解説を担当している。