柚木麻子『ナイルパーチの女子会』(文春文庫、2018)


商社で働く栄利子、主婦ブロガーの翔子、
派遣社員で寿退社直前の真織。
女性たちの互いの距離の取り方や
コミュニケーションの困難を読み進むうち、
はてこの物語は、読者をどこに連れて行くんだろうと心配になった。
柚木麻子『ナイルパーチの女子会』(単行本:文藝春秋、2015)を読む。


ナイルパーチの女子会 (文春文庫)

ナイルパーチの女子会 (文春文庫)


柚木の文章のよさを頼りにさらに読んでいくと、
人間関係のやりきれないもつれに少し日が差してきた。
読む終わる頃には、白黒で解決しない日々の問題に、
辛抱強く、希望を持って、少しでもいい選択肢を心がける
小説の登場人物たちに共感していた。


第28回山本周五郎賞とともに、
第3回高校生直木賞を受賞。
自分とは何か、人間関係はどう作ればいいのか。
いまを生きる高校生たちにも
この作品は力強いメッセージを送ったのかな。


BUTTER

BUTTER

(新作も読みたいが、区立図書館で770番目の貸出順位。遠いなぁ)
wikipedia: 柚木麻子