ストレス対策のコツ、宇宙飛行士に聞こう

クリッピングから
讀賣新聞2020年4月18日朝刊
宇宙滞在 運動で息抜き
宇宙飛行士 金井宣茂さん(43)


作家・辻仁成さんは息子と二人で暮らすパリのアパルトマンを
火星に向かう宇宙船に見立てました。
外出自粛の日々を過ごす中、
毎日のジョギングは「宇宙遊泳」、買い物は「船外活動」です。
NASAに長期出張中の宇宙飛行士・金井宣茂さんに
ストレス対策についてインタビューした記事を見つけました。
本物の宇宙船で168日間過ごした経験を持つ人です。


  新型コロナウイルスの感染拡大で、
  家に閉じこもり、ストレスを募らせる人が増えている。
  閉鎖空間での生活と言えば、
  国際宇宙ステーションISS)に滞在する宇宙飛行士や、
  潜水艦乗員などが思い浮かぶ。
  ストレスをためないためにはどうしたらいいか。
  宇宙に168日滞在し、現在は米航空宇宙局(NASA)に長期出張中の
  金井宣茂・宇宙飛行士にネット電話「スカイプ」で聞いた。

                     (編集局 知野恵子)


  (略)
  —金井さんは、ツイッターで「引きこもり生活満喫中」と発信しています。


  「外に出ないと息が詰まるという飛行士もいるでしょうが、
  私は引きこもり生活を苦にしません。
  ISSでもそうでしたが、体を動かすことがストレス解消になります。
  公園を散歩したり、居合道が趣味なので部屋の中で木刀を振ったり、
  腕立てふせをしたりして息抜きをしています」
  (略)


  —長期滞在経験のある元宇宙飛行士などのアドバイスを、
   金井さんはツイッターで取り上げています。


  「多くの人が自分の体験をネットなどで紹介しているので、
  皆の参考になると感じたものをツイッターに投稿しています。
  例えば665日間の宇宙滞在経験を持つ元宇宙飛行士の女性は
  『なぜつらい思いをしてまで外出しないように努めるのか。
  それはウイルスが広まるのを少しでも防げるという大義のためだ、
  と自分に言い聞かせている』と話しました。
  重要な指摘です。

 
  ドイツの男性飛行士は、外出できない期間を飛行訓練に見立て、
  2個のトイレットペーパーで3週間乗り切れるどうかに挑戦しています。
  つらい思いをユーモアで切り返す心の余裕を見習いたいです」
  (略)


  「もともと飛行士の打ち上げは、厳しい態勢で行われています。
  2週間ほど隔離され、健康と判定されてから打ち上げられます。
  宇宙で生活すると人間の免疫力は弱ると言われています。
  新型コロナウイルスに限らず、普通なら発病しないような病原菌でも、
  宇宙だと大きな病気を発症させるかもしれません。
  論理的、医学的、科学的に検討し、
  こうすればまず安全だろうという手法が昔から続けられています。
  一つ一つに研究の裏付けがあり、蓄積のすごさを感じます」
  (略)


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知野記者は金井飛行士へのインタビューをもとに
ストレスをためないコツをまとめた。


  ▷生活リズムを守る
  ▷自分がやるべきことを可視化する
  ▷外出しないのはなぜか、その大義を自分に納得させる
  ▷つらい思いをユーモアで切り返す心の余裕を持つ
  ▷SNSなどITを上手に活用して、人とのつながりを保つ
  ▷資格取得の勉強や英語力向上など、
   こつこつと夢中になってやれることを見つける


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僕は家の窓辺のスペースを飛行機のビジネスクラスに見立てて
LEDスタンド、本、コーヒーカップ、食事のトレイなどを置いて過ごします。
地球は時速1700kmで自転しています。
一見止まっているようで、
実は今この瞬間もこの限られた空間で旅しているんですね。
そう考えると不思議に気持ちが休まります。


ときどき大王がヒザに乗りにやってきます。
お、これはどの航空会社でも、ファーストクラスでもできないサービスだぞ、
と他愛なく喜んでいます。


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金井さんのツイッターには、59,000人のフォロワーがいます。
僕もさっそくフォローしました。
讀賣・知野記者、タイムリーなインタビューでした。