クリッピングから
讀賣新聞2021年4月13日朝刊
読売歌壇(俵万智選)
今週も好きな歌3首、抜き書きします。
全員で選手宣誓するように
園児の群れがわたる十字路
東京都 カラスノ
【評】横断歩道を渡るとき、そろって手をあげる園児たち。
選手宣誓の比喩が、律儀さ、真面目さ、
可愛(かわい)さを、うまくとらえた。
こうした園児たちに出会うと、
あ、自分も交通ルール、ちゃんと守らなくちゃ!
と反省してしまいます。
深夜二時、律儀に赤信号を待つ
HeySiri, 生まれた意味を教えて
交野市 田村幸慈
音声認識機能に
自分が生まれた意味まで尋ねたくなる。
深夜の舞台設定がとてもいいな。
自転車と洗濯物が目にとまる
ああこの家も住むひとが来た
ひとが日々暮らすとはどういうことなんだろう。
作者の観察眼から生まれた歌に
ふと立ち止まって考えてみたくなりました。
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