銀杏のこつんと落ちてふりかへる(大武美和子)

クリッピングから
讀賣新聞2020年11月23日朝刊
読売歌壇(俵万智選)


今週も好きな歌3首、書き写してみます。


  銀杏のこつんと落ちてふりかへる
  だるまさんがころんだみたいに

         東京都 大武美和子


     【評】静かな秋の一コマが、童画のように描写された。
        振り返るところから、だるまさんへの連想がなめらかでみごと。


「だるまさんをころんだ」を遊びながら
母親と少女が歩いているのを家の近所で見かけました。
女の子が振り返るたびに、お母さんは律儀に立ち止まります。
少女は笑いがあふれて仕方ないようです。


  おだやかに海のページをめくりつつ
  足跡を消す風の指さき

          大阪市 toron*


toron*さんの歌は、言葉遣いが綺麗ですね。
メロディーが聞こえてきそうな気がします。


  搬送を終へて帰還の救急車
  ゆったり待ちぬ青き信号

          前橋市 平林始


帰還の救急車に着目したのが新鮮でした。
今週は晩秋の静けさを詠んだ歌が心に残りました。
(下線部クリックで同一作者の別の歌が読めます)


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てにをは俳句・短歌辞典

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  • 発売日: 2020/08/28
  • メディア: 単行本