池井戸潤『民王(たみおう)』(ポプラ社、2010)

夜のくつろぎのひとときには肩の凝らない読み物が欲しくなる。
久しぶりにこの人の作品に帰ってきた。
池井戸潤『民王(たみおう)』(ポプラ社、2010)を読む。



腰巻の文句が笑えた。


  国会騒然…… !! 
  日本の政治はいったいどこへいってしまうのか !?

  ●就任後すぐ、投げ出すよう辞任してしまった首相

  ●愛人とのスキャンダルを報じられた官房長官

  ●酒を飲んで国際会議に出席してしまった経済産業大臣

  ●売春クラブの利用が発覚した議員

  ●用意された原稿の漢字が読めない首相

  ……これが、本物のオトナ(しかも一国の代表)といえるのか !?
  もしかしてこの事態、何者かによる陰謀じゃ !?


思わず奥付を確かめてしまった。
「2010年5月25日 第1刷発行」とある。
10年以上前に出版されている。
去年今年に発表された小説ではない。
なのに、既視感があるのはなぜだろう。


  (初出:「ポプラビーチ」2009年8月〜2010年1月。
   単行本化にあたって大幅に加筆・訂正)


(2021年9月出版の続編。こっちも読みたいナ)


(角川で2019年に文庫になっていた)


f:id:yukionakayama:20211019114430p:plain
朝日新聞2021年10月2日朝刊)