凍りついた口元をゆるませる餡子(あんこ)の甘み

クリッピングから
朝日新聞2021年12月25日朝刊
「折々のことば」(鷲田清一)2243


  甘うておいしいお菓子を、
  こうぇえ顔して食べる人はおらんでしょう。

            和菓子屋の娘、安子


  「怒りょっても、くたびれとっても、
  悩みょうっても、自然と明るい顔になる」
  と店を訪れた、のちに夫となる学生に安子が語る。

  人は落ち込めば食欲をなくし、言葉も失い、歌を忘れる。
  その凍りついた口元をゆるませるのが餡子(あんこ)の甘み。
  その味に救われている人が今もきっといる。

  NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
  (脚本・藤本有紀、11月5日放送)から。


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鷲田さんが「折々のことば」を見つけてくるフィールドは
とてつもなく広く、自由だな、といつも感心しています。
ご自身の専門である哲学もテレビドラマも
同等に扱っている姿勢が実に清々しい。


僕も『カムカムエヴリバディ』、欠かさず見ています。
自分もNHKラジオの語学講座で
英語などの外国語を半世紀以上勉強してきたので、
人一倍、興味があります。


(テレビドラマと連動したラジオ英語講座。大杉先生、AIさん、天野さんの息がぴったり!)


(カムカム英語・平川唯一先生のご子息・平川洌さんの著書)