クリッピングから
朝日新聞2021年7月31日朝刊
折々のことば(鷲田清一)第2101回
あんまり人をばかにするな。
その話自体がおもしろければ絵なんかなくても、
スライドがなくてもおもしろい。
最近は大学でも視覚教材を活用した授業が推奨される。
でも小説なら挿絵がなくても読む。
要は中身の問題、と生物学者は言う。
『ぼくにとっての学校』から。
ドイツでのこと。
哲学の講義中、ずっと編み物をしている学生がいた。
が、話が刺激的な局面にさしかかると
さっと身を起こし、メモをとる。
そのさばき、実に格好よかった。
学生の受講態度を認める哲学の先生。
その姿が実に格好いい。