クリッピングから
毎日新聞2022年3月5日朝刊
書籍広告『「その他の外国文学」の翻訳者』
白水社編集部 編
話題沸騰、刊行忽ち3刷!
日本では学習者が少なく、「その他」とくくられる言語による文学を
熱意をもって紹介してきた九人の翻訳者が、
その言語との出会いや学習方法、翻訳の工夫、
そして文学観を語るインタビュー集。
序文・斎藤真理子
◎2090円
【登場する言語】ヘブライ語/チベット語/ベンガル語/マヤ語/
ノルウェー語/バスク語/タイ語/ポルトガル語/チェコ語
僕はチェコ語の阿部賢一が須藤輝彦と共に訳した
アンナ・ツィマ『シブヤで目覚めて』を鴻巣由美子書評で知り、読んだ。
村上春樹に影響を受けた作品が物語の中に登場して、
国境を越えた世代間の共通性と
チェコの独自性が並存しているのが面白かった。
言語はその文化の精髄であり、
思考の枠組みまで決定することがある。
異なる言語で書かれた文学に心揺さぶられるのは、
思考の幅、深さを増すのに役立つと思う。
「地味」な本書が発売早々増刷されていて、
読者が着実に付いている。