今井むつみ評:『須賀敦子全集全8巻』(河出文庫、2007)

昨日いただいた
ブックファースト新宿店開店14周年記念>
「名著百選2022 私が今年、出会った一冊」。
288人の選者にとって2022年がどんな年だったのか、
その方の厳選一冊と推しのコメントから想像するのが楽しい。



出版元で品切れになっている書籍もときどきある。
すべて新刊で買う財力、スペースもない。
鉛筆でチェックして図書館で借りるリストに入れておく。


この小冊子をもらうにはフェア展示本から一冊購入するのが条件。
僕は今年、今井むつみさん(研究者・大学教員)が選んだ
須賀敦子全集全8巻』(河出書房新社)から第4巻を買いました。
今井さんのコメントを引用します。


  なにもかも放り出したくなった時に
  全8巻の中からランダムに選んで読みます。
  何度目に読んでも必ず泣きます。
  その簡潔な文章のもつ美しさと強さに。
  自分の経験を淡々と紡いだエッセイの行間から浮かび上がる、
  須賀敦子という人の清冽さと潔さに。


  人はこれほどに文学というものに
  真摯に愛情をもって向き合えるのか。
  これほど自分に厳しく、他人に優しく、温かくなれるのか。
  須賀のエッセイに泣いた後、自分もまた世界に向き合い、
  ゆっくりでも歩みを続けられる気がします。

                         (p.10)


「名著百選2022」は
ブックファースト新宿店で12月31日まで開催。
フェア台の書籍一冊購入で
特製小冊子もらえます(先着1,000人)。


(須賀さんの全集を文庫版にしたシリーズの一冊)

(今井さん著書。英語を学ぶとき参考にしています)