「本の雑誌」2023年1月号で作家・鏡明が
SF部門で「註釈付き」第10位選出。
気になってメモしておいたら、
あれよあれよという間に直木賞(2022年下半期)受賞。
小川哲(さとし)『地図と拳』(集英社、2022)を読む。
紹介文を引用する。
「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」
日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。
ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。
叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。
地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野……。
奉天の東にある〈李家鎮〉へと呼び寄せられた男たち。
「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。
ひとつの都市が現われ、そして消えた。
日露戦争前夜から第2次大戦までの半世紀、
満洲の名もない都市で繰り広げられる知略と殺戮。
日本SF界の新星が放つ、歴史×空想小説。
【著者紹介】
小川哲(おがわ・さとし)
1986年千葉県生まれ。
東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。
2015年に『ユートロニカのこちら側』で
第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞しデビュー。
『ゲームの王国』(2017年)が第38回日本SF大賞、第31回山本周五郎賞を受賞。
『嘘と正典』(2019年)で第162回直木三十五賞候補となる。