中国

26年前 助けてくれた訳

クリッピングから 朝日新聞2023年5月27日朝刊 「そよかぜ」◆洛陽(中国) 26年前 助けてくれた訳 7年弱の中国勤務が終わろうとするなか、 帰国前にどうしても会いたい人がいた。 1997年3月、中国を一人旅していた大学生の私は、 陜西省西安市を発った列車の…

小川哲『地図と拳』(集英社、2022)

「本の雑誌」2023年1月号で作家・鏡明が SF部門で「註釈付き」第10位選出。 気になってメモしておいたら、 あれよあれよという間に直木賞(2022年下半期)受賞。 小川哲(さとし)『地図と拳』(集英社、2022)を読む。 地図と拳 (集英社文芸単行本)作者:小…

あぁ、僕の宝物の落語全集が……(山田洋次)

クリッピングから 朝日新聞2022年7月2日朝刊別刷be 山田洋次「夢をつくる」4 敗戦で預金も株券もゼロに。 土地も家もすべて失った。 満鉄(南満州鉄道)に勤めていた父は失職。 衣服や家具、時計、父のカメラなどを売って食糧に換え、 空腹をしのぎました。 …

理系思考が支える『キングダム』

クリッピングから 原泰久『キングダム』第54巻(ヤングジャンプ コミックス、2019) 巻末掲載「原泰久20,000字インタビュー」 キングダム 54 (ヤングジャンプコミックス)作者:原 泰久発売日: 2019/04/19メディア: コミック 漫画『キングダム』という偶然、 …

副島隆彦『米中激突 恐慌—板挟みで絞め殺される日本』(祥伝社、2019)

副島さんの講談調文体は読み始めるとクセになる。 師匠の小室直樹さんの著作を彷彿とさせる。 副島隆彦『米中激突 恐慌—板挟みで絞め殺される日本』 (祥伝社、2019)を読む。 米中激突 恐慌-板挟みで絞め殺される日本 (Econo-Globalists 22)作者:副島隆彦出…

996で働く北京漂流プログラマー

クリッピングから 朝日新聞2019年9月24日朝刊 シリーズ 中国建国70年 大国の足もとで(1) 「996」過酷だけど 働きづめデジタル農民工の夢 (略) 「996」 午前9時から午後9時まで週6日、 金融やITなど一見、華やかな先端産業を支える若者らの 過酷な労働実…

なぜ中国は香港に軍事介入しないのか

クリッピングから 朝日新聞2019年8月29日朝刊(国際面) 「地球24時」 香港 航空業関係者20人解雇 「逃亡犯条例」改正案を機に政府へのデモが続く香港で、 20人の航空業界の関係者が相次いで解雇された。 香港メディアが28日、労働団体の話として伝えた。 背…

2020年完成予定、中国の「社会信用システム」

スクラップブックから 讀賣新聞2019年5月13日朝刊 70年の中国 大国の現実(5) 信用度で国民管理 「点数気になって仕方ない」 上海中心部にある上海市第一中級人民法院(地裁)前の 公告用電光掲示板に、企業名や個人名がいくつも表示されている。 ローン未…

成昆線に9時間揺られて、攀枝花(パンチーホウ)へ

スクラップブックから 朝日新聞2018年4月11日朝刊 中国列車 暮らし乗せて 中国内陸部、 四川省の山あい約350キロを走る列車がある。 所要時間は9時間。 厳しい自然環境から、 沿線は中国で最も貧しい地域の一つだ。 バスも自家用車もない住民にとって、 鉄道…

ヨコ社会がチベットへの道を拓いた

スクラップブックから。 朝日新聞2017年9月14日朝刊 「語る—人生の贈りもの」 社会人類学者 中根千枝(第8回) 《1945年8月15日の正午、 終戦を伝える玉音放送が流れた。 津田塾専門学校2年生だった中根さんはモンペを脱ぎ、 鮮やかな空色のワンピー…

身体が不調な日は結論を急がない

前日睡眠中に両足が代わりばんこにつって眠れなくなり、 その後も心配ごとが次々と訪れた。 僕にしては珍しいことだが 朝まで充分な睡眠が取れなかった。 こんな日は仕事をしていても ささいなことが気になったり、物事を悪い方に考える。 二つの案件できょ…

ビンロウ—湖南的国民嗜好品—を試す

第二日昼食後に地元審査員が教えてくれたのがビンロウ(檳榔)。 椰子科植物で湖南省、台湾特有の嗜好品だ。 チューインガムのように噛み、味がなくなったら口中から出す。 興奮・酩酊作用が10分ほど続くが合法で、 もちろん麻薬の類いではない。 日本入国で…

郷に従い視察の一日

長沙第三日は視察である。 第二日の審査をあんなに朝から夜中までギッシリ組むなら 視察を半日にして審査にもう半日当たればいいだろう と考えるのは素人である。 賞に協力している市、協会からすれば 視察の方にむしろ重点がある。 参加者に文化、経済の実…

中国圏審査員に交じって僕ひとり

審査会場は宿泊しているホテルから車で10分ほどの Changsha Advertising Industrial Parkである。 長沙は英語でChangsha。 中国広告協会、下部組織・長沙広告協会のサポートを 全面的に受けている。 このビルの会議室にも協会の名前が見える。 室内は寒い。1…

湖南省長沙に来ている

中国湖南省長沙に来ている。 毛沢東の故郷の省都である。 我が家を出て北京で乗り継いで計12時間。 中国は広大だなぁ、と身体と時計で実感する。 (深夜に到着した長沙黄花国際空港) 台北の古い友人の招待で 新聞社「中國時報」が主催する Times Asia-Pacif…

中国都市部の速度、東京の速度

縁があるときは不思議に続くものだ。 2年ぶりに縁が戻った中国が続く。 午前中は中国からEMBA(勤務しながら経営修士号を取るコース) のみなさん30名弱とのセッションに参加する。 同僚Oさん、上海取材出張を共にしたEさんがレクチャーを行う。 今回、僕は…

中国のスピードに振り落とされないように

お茶を飲みながら、食事をしながら ひとりの友人について2時間から5時間ほど話を聴く。 一方的に聴くだけでなく 僕もどんどん質問し自分の意見もぶつける。 現在の中国広告クリエーティブの最前線が 次第に僕の頭の中でカタチになっていく。 半分は依頼され …

丹羽宇一郎『北京烈日ー中国で考えた国家ビジョン2050』(2013)

その政権が期待ほどの成果を挙げられなかったとは言え、 権力を握っていた期間の決断すべてが間違っていた訳ではない。 この人を民間初の中国特命全権大使にした人事には注目していた。 昨年12月退官したことを知っていたから、 大使で仕事をしていた期間の…

宮崎市定『雍正帝』(1950,1957初出/1996文庫版)

宮崎市定『雍正帝ー中国の独裁君主』を読む。 本文はもちろんのことながら 併載論文「雍正硃批諭旨(ようせいしゅひゆし)解題 ーその史料的価値」が面白い。 解説を書いている宮崎の高弟・礪波護の発案で併載が実現した。 康煕帝、乾隆帝にはさまれ 中国史…

宮崎山脈をさらに奥地へ

宮崎市定先生の『アジア史概説』『中国史(上・下)』が あまりにも面白かったので さらに宮崎山脈を奥深く渉猟してみたくなった。 先生の師である桑原隲蔵(じつぞう)先生、内藤湖南先生、矢野仁一先生、 先生の同僚であった安部健夫先生の連山も宮崎山脈…

宮崎市定『中国に学ぶ』(1971/1986文庫版)

宮崎市定『中国に学ぶ』を読む。 「あとがき」にこうある。 中国を学ぶことは、中国に学ぶことに終わる。 ただし中国に学ぶとは、 何もかもすべてを肯定することではない。 学ぶためにはまず批判することが必要だ。 (中略) 私が中国から学んだ若干の事物の…

宮崎市定『中国史(下)』(1978)

宮崎市定『中国史(下)』(1978)を読む。 碩学の歴史概説書は実に面白い。 「むすび」にこうある。 歴史家にとって、歴史概説こそが、 同時に歴史哲学であって然るべきだ。 (中略) 歴史学は単なる集積ではなくて、 事実の論理の体系であるべきだ。 言いか…

中国の若手は貪欲に吸収する

中国国際広告祭最終日には 僕の会社が毎年主催するセミナーがある。 今年もベテランのエースYさん、Nさんを投入。 中国語字幕を入れたスライドから会場設営まで 日本人らしくきめ細やかにチームワークで準備する。 お二人の熱を込めた講義に学生、業界若手を…

中国広告界のエネルギー

その昔、 「これでもか、これでもか。としまえん」 というキャッチフレーズがあった。 一方こちらは、 「これでもか、これでもか、これでもか、これでもか、これでもか…… 中国国際広告祭」 である。 メディア関連ブース、世界の広告賞の展示、なぜか名品物産…