温める大吟醸、獺祭(だっさい)


少々寒くなってきたから
鍋に合う、お燗にしてうまい酒を探しにいった。
山口の山奥の小さな酒蔵・旭酒造で作っている
「獺祭(だっさい)」の温め酒。
ぬる燗と熱燗の中間くらいでつけて飲むと、
なんともふうわりとした味わいのいい酒ですね。



カワウソ(獺)は魚を取った後、
食べる前に岩に魚を並べる儀式をする。
獺祭はその儀式にちなんで名付けたそうだ。
酒飲みの気持ちを分かってくれてますね。
旭酒造のある土地の住所にも獺の文字がある。


温め酒は山田錦を50%精白した純米大吟醸
大吟醸は冷やして飲むものという通念があるけれど、
こうして温めて楽しむ大吟醸もある。
これだけ手間をかけた酒の割には「幻の酒」にならず、
僕たちにも手が届く値段なのがうれしい。
手頃な値段に据え置くために
流通にも工夫をしている酒蔵なのだ。
その分、置いている酒屋が簡単には見つからないので、
手に入れるためには飲み手にも少々手間ひまが要る。


(旭酒造さんに直接頼む手もある。送料はかかりますが。
 下記のurlからどうぞ。
 取り扱っている酒屋さんの一覧表も出ていますから、
 運が良ければご近所で見つかるかもしれません)


  http://asahishuzo.ne.jp/


おとといの夜は清水の魚屋・魚としさんの
ホウボウとメイゴ(イシモチの仲間の白身魚)を鍋にして、
獺祭の燗で小宴会の始まり。
この日は役者のTさん、Kさんが煤払いと称して
そうじの出前サービスに来てくれた。


年末年始休暇に入ってから、
一日に二カ所くらい集中してそうじ、整理整頓をしている。
2008年が終わっていくにつれて
家の中が少しずつきれいになっていく。
(他人の目からはそうは見えないかもしれないが、
 本人にとっては大変化である)



片付いた部屋で酔わない程度に楽しむ日本酒は、
なんともおいしい。
幸い近所に何軒か品揃えのいい酒屋があるので、
あちらの酒蔵の作品、こちらの杜氏の作品と
日本酒を味わう旅をしている。
酒を作っているみなさんの姿を想像して
ゆっくり味わうのが格別。
合いの手に水を飲むと、悪酔いはしない。


今年はみなさん巣ごもりの年末年始らしいが、
なに、僕はずっと前から、
誰に頼まれるわけでもなく、
誰に命令されるでもなく、そうしている。


みなさんは、
残り少なくなった2008年を
いかがお過ごしですか。