ウクライナ 別の視点(山田孝男)

クリッピングから
毎日新聞2022年4月18日朝刊
「風知草」特別編集委員 山田孝男
ウクライナ 別の視点


  中国研究の論客、遠藤誉の最新刊
  「ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略」(PHP新書)の帯に
  こう書いてある。


  「ウクライナは本来、中立を目指していた。
  それを崩したのは09年当時のバイデン副大統領だ。
  『ウクライナNATOに加盟すれば、
  アメリカは強くウクライナを支持する』と甘い罠(わな)をしかけ、
  一方では狂気のプーチン
  『ウクライナが戦争になっても米軍は介入しない』と告げて、
  軍事攻撃に誘い込んだ」


  81歳の遠藤は、少女時代の第二次大戦直後、
  旧満州国の首都・新京(長春)で被弾して負傷、
  食糧封鎖に遭い、餓死者の上に野宿して生き延びた。
  ウクライナ戦争のニュース映像で記憶がよみがえり、
  震えが止まらず、通院。
  PTSD心的外傷後ストレス障害)を克服するため、
  10日で最新刊を書いたという。


  遠藤は反米主義者ではない。
  むしろ舌鋒(ぜっぽう)鋭い中国批判が身上だが、
  「第二次大戦以降の米国の戦争ビジネスを正視しない限り、
  人類は永遠に戦争から逃れることはできない」との信念から、
  米国批判に的を絞った文章をヤフーニュースに投稿した(13日)。


  時局柄「ひどいバッシングを受けるのでは」と身構えたが、
  280万を超えるアクセスがあり、大半は好意的で、
  「議論を受け入れる土壌ができつつあると感じた」と振りかえる。
  (略)





www.youtube.com

エマニュエル・トッド「文藝春秋」誌で言及した
 ミアシャイマーシカゴ大学教授のYouTube動画)