「こつこつひとりで続けよう」(講師:中山純 「まいにちドイツ語」応用編)

10月からのNHK語学新講座「まいにちドイツ語」応用編
<Schritt für Schritt weiter mit Deutsch〜こつこつひとりで続けよう>。
(講師:中山純先生、パートナー:Nadine Kaczmarekさん、
Stefan Buchenbergerさん)



中山先生の「開講のあいさつ」から引用する。


  この講座では毎月1つのキーワード(Stichwort)と、
  そこから連想した3つの連想語(Schlagwort)をトピックにした
  4つのテキストを読んでいきます。
  (略)


  文章を読むことは言葉を学ぶうえでの基本のひとつですが、
  「実用 vs. 教養」という議論の中で、
  外国語教育の現場では長らく脇に追いやられていた感があります。


  最近になって、大学入試改革の中でも
  英語も長文の読解力を求められるようになってきました。
  ただし、昔のように和訳して終わりという学び方ではなくて、
  新しい語彙や情報を取得するための手段としての
  「Lesenー読み」を練習していきましょう。

         (「まいにちドイツ語」10月号テキスト、p.64)


続いて「この講座について」から
先生の言葉を引用する。


  ドイツ語の文章を和訳の教材としてだけ使うのではなくて、
  音読練習や内容についてドイツ語で問う練習などを通して、
  一人でもできる強化法を身につけてください。


  練習はシンプルに「繰り返す」「覚える」「内容を問う」
  「要約する」「発信する」という内容で構成してあります。
  特に音読練習のやり方については、繰り返し説明することはありませんが、
  継続的に行っていただいてこそ成果が上がります。


  音読練習は、ぜひ本物(authentisch)のドイツ語をお手本にしてください。
  NHK語学番組はテキストだけではなく、
  デジタルサービスも用意しています。
  音源があると、細かいアクセントや文メロディーを確認しやすくなります。


  単語のつづりを見て、それを正しい音に換えることは、
  音符を見て曲として再現することと同じで練習が必要です。
  いわゆるローマ字式の読み方では、対応できないことは
  周知の事実になっているでしょう。


  お手本として利用できるものは効果的に使って、
  こつこつ練習を続けていきましょう。
  応援しています。

                             (同、p.66)

「舞台の名シーンに学ぶ生きたことば」(講師:佐藤貴之 「まいにちロシア語」応用編)

毎年3月と9月は
NHK語学講座次期放送内容が発表される月。
足掛け56年の講座リスナーはこれが楽しみ!
まいにちロシア語」10月号テキストから引用する。



  木曜日と金曜日の「応用編」は、
  佐藤貴之先生による新しい講座、
  「舞台の名シーンに学ぶ生きたことば」をお送りします。
  ロシアでは演劇がたいへん盛んで、人々から愛され、
  古典と呼ばれる作品から現代の作品まで日常的に上演され、
  作品によっては新しい解釈や演出が試みられています。


  今回はそうした中から、
  5人の劇作家の6つの作品にスポットをあてます。
  日本でも人気の高いチェーホフゴーリキーの戯曲のせりふを
  ロシア語でじっくり聴いて深く読み込み、
  原語でしか味わえない作品の奥深さに出会ったり、
  ブルガーコフによる抱腹絶倒のドタバタ喜劇で
  ロシア独特のユーモアに触れたりしていきます。


  戯曲の朗読をするのは、現役のロシア人俳優たち。
  その力強く、美しい声の響きを味わいながら、
  毎回、日常生活でよく使われる表現をピックアップして学んでいきます。

      (p.5 「まいにちロシア語をご利用の皆さまへ」日本放送協会


  講師 ◆ 佐藤貴之
  パートナー ◆ Елена Высочина
  ロシア語朗読 ◆ Ирина Герасимова
          Михаил Окунев

はよ、帰っておいで(元ホームレスの松ちゃん)

クリッピングから
朝日新聞2022年9月17日朝刊別刷be
「それぞれの最終楽章」元ホームレスの物語 ⑧
NPO法人「枹樸(ほうぼく)」理事長・奥田知志(ともし)さん


  2、3年後、僕は困窮者支援の国の検討会に呼ばれるようになった。
  聞き慣れない用語が飛び交う中、机の下で必死にスマホでググった。
  当時は野宿者を食い物にする「貧困ビジネス」が問題になっていた。
  北九州が拠点の僕らはまだ知名度が低く、
  悪徳業者のように扱われて悔しい思いもした。


  東京は大勢の人間たちが目の前を通り過ぎていく。
  霞ヶ関での会議を終えた夕方、
  新橋のホテルへ戻る途中にコンビニで弁当とハイボール缶を買い、
  独りの部屋で晩酌した。
  それから松ちゃん(引用者注:筆者と深交ある元ホームレスの男性)に
  弱音を吐いた。


  「もうええから、帰っておいで。飲もうや」
  「あかんやん。断酒中やろ? でも土産に酒買って帰るわ」
  「まあ世の中いろいろあるから。
  はよ、帰っておいで。待ってるから」
  「ありがとう。おやすみ」


  何でもないやり取りだった。
  僕が抱える問題の何の解決にもならないし、
  助けてもくれない。
  それでも、松ちゃんの「はよ、帰っておいで」に救われた。
  慣れない都会に出張して心細い僕を、
  松ちゃんは繰り返し慰めた。
  (略)



 

(筆者所属のNPO法人「枹樸」が運営する「希望のまちプロジェクト」ホームページより)

いつも寅さん、見てるよ。渥美清は元気かい

クリッピングから
朝日新聞2022年9月17日朝刊別刷be
山田洋次「夢をつくる」7


  寅さんシリーズが始まって7作目か8作目の頃。
  映画界でそんなに続いた例はないし、
  なんだかみっともないからこの辺でやめたほうがいいと思うけど、
  と僕は渥美さんに提案したことがある。
  それに対して彼はこう答えたのです。



  「5作目を封切った頃、
  私が東京駅のホームで遅い時間に電車を待っていたら、
  酔っ払ったサラリーマンが通りかかり、
  私を見てニコニコ笑いながら『いつも寅さん、見てるよ』と言った。
  私は『ありがとうございます』と答えたけど、
  その彼が去り際に『渥美清は元気かい』と言う。
  『元気ですよ』と答えたら『よろしく言ってくれよ』
  と言って機嫌よく行ってしまった。


  私は2作目、3作目とこのシリーズが評判になり出した頃は、
  若い娘なぞが私を見てクスクス笑って
  『あら寅さんだ』などと言ったりすると、
  内心、あれは役として演じているのであって、
  本物の渥美清はあれほど馬鹿じゃない、
  新聞くらいちゃんと読んでますよと思ったりしてたけど、
  東京駅でそのサラリーマンに会った頃から考えが違ってきた。


  この役をいい加減に演じていると、
  田所康雄は車寅次郎に追い越されるぞという
  不安のようなものを感じるのです」


  渥美さんはそれだけ言ってにこやかに席を立っていったけど、
  それが返事だとよく分かった。
  (略)




プロパガンダだと気付かれてはならない(ヨーゼフ・ゲッベルス)

クリッピングから
朝日新聞2022年9月10日朝刊
「テレビ時評」プロパガンダは過去か
大島新(ドキュメンタリー監督)


NHK「映像の世紀バタフライエフェクト」サイトより引用)


  5日に放送されたNHK総合映像の世紀 バタフライエフェクト」の
  「映像プロパガンダ戦 嘘と嘘の激突」は、
  今こそ見るべき圧巻の番組だった。
  このシリーズは、毎回世界中のアーカイブ映像をひもときながら、
  現代に生きる私たちに有為な知識と大きな示唆を与えてくれるが、
  今回ほど身につまされた回はなかった。


  ロシアの巨匠エイゼンシュテイン監督の「戦艦ポチョムキン」は、
  ナチスの宣伝大臣ゲッベルスに強い影響を与えた。
  「優れた政府には優れたプロパガンダが必要だ」
  と語るゲッベルスは、こうも言う。
  「プロパガンダには秘訣(ひけつ)がある。
  何より人々にプロパガンダだと気付かれてはならない」。
  この考えに基づいて作られた多くの映画が、
  ヒトラーの神格化とユダヤ人排斥に国民を導いた。
  (略)


  太平洋戦争中の日米のプロパガンダ戦のくだりでは、ため息がでた。
  サイパン島の住民たちの悲劇的な自決を、日本は戦意昂揚に利用し、
  アメリカは狂信的な日本人像を強調することで戦争の正当性を訴えた。
  今もロシアとウクライナでは、主張が食い違う映像が流され、
  プロパガンダ戦は現在進行形で行われている。
  (略)



    <番組概要>

    1995年に放送を開始した「映像の世紀」の新シリーズ。
    蝶の羽ばたきのような、ひとりひとりのささやかな営みが、
    いかに連鎖し、世界を動かしていくのか?
    世界各国から収集した貴重なアーカイブス映像をもとに、
    人類の歴史に秘められた壮大なバタフライエフェクトの世界をお届けする。

    (NHK「映像の世紀バタフライエフェクト」サイトより引用)



勝手にアレンジ「貧乏人の竹輪丼」

2013年4月に開始して放送10年目、
これまで300組を超えるインタビューを実現したEテレ番組「SWITCH」。
9月12日は「ホラン千秋 x リュウジ EP1」再放送。


NHK「SWITCHインタビュー」サイトより。ホラン千秋(左)とリュウジ)


概要をサイトから引用する。


  ブログで公開した手作り弁当が“映えない”と話題のホラン千秋
  白いご飯に、ラップでくるんだおかずを詰めただけの弁当は
  「ヤバ弁」「雑弁当」とネットを沸かせた。
  そんなホランが指名したのは、総フォロワー数680万以上、
  SNSでバズりまくる料理研究家リュウジ。


  驚くほど簡単で常識破りなレシピは、
  料理嫌いな人からも圧倒的支持を受ける。
  数年前までサラリーマンだったリュウジの人生、
  ホランリスペクトの新レシピも!


二人のテンポいいやりとりに惹かれる。
リュウジの<バズレシピ> YouTube動画から
「貧乏人のかまぼこ丼」を見つける。



www.youtube.com


バズレシピをさっそくアレンジ。
竹輪、グリーンアスパラ、刻みネギ、卵、バター少々で
「貧乏人の竹輪丼」に挑戦。
うまかった!
バターが意外な隠し味。
原価はたぶん100円以下だな。