村上篤直『評伝 小室直樹(上)』(ミネルヴァ書房、2018)

人が一生に一度だけ、
自分の情熱を傾ける対象について書ける本があるのか。
この著作はまさしくそんなカテゴリーに属する書物だと思えた。
村上篤直『評伝 小室直樹(上)ー学問と酒と猫を愛した過激な天才』
ミネルヴァ書房、2018)を読む。



佐藤優さんが同志社講座で
キリスト教神学の予定調和説を説明する絶好の本を見つけた」
と僕たち受講生に紹介したのがきっかけだった。
上巻『評伝 小室直樹(下)ー現実はやがて私に追いつくであろう』
ミネルヴァ書房、2018)だ。


数学を使わない数学の講義 (WAC BUNKO 272)

数学を使わない数学の講義 (WAC BUNKO 272)


その後、紀伊国屋書店本店の書棚で手にした
『数学を使わない数学の講義』(ワック、2018)が大変面白かったので
二巻本の評伝もぜひ読みたいと思った。


村上は「小室直樹文献目録」サイトを自主的に立ち上げ、
今も更新している。
存命の関係者たちを丹念に取材し、
小室全著作を読み込み、記録として後まで役立つように記述していった。
一生に一冊だけ書ける評伝として、
斎藤秀三郎関口存男井筒俊彦の生涯と業績を記した三冊が頭に浮かぶ。
村上の著作をその書棚の一角に加えたい。


斎藤秀三郎伝―その生涯と業績 (1960年)

斎藤秀三郎伝―その生涯と業績 (1960年)

関口存男の生涯と業績 POD版

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井筒俊彦―叡知の哲学

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