古希となる誕生日にも早起きし(柏屋敏秋)

クリッピングから
讀賣新聞2021年3月8日朝刊
読売歌壇(俵万智選)


今週も好きな歌3首、抜き書きします。


  朝採りのキャベツを厨(くりや)に切りたれば
  シャキシャキですよと黄緑の声

        匝瑳(そうさ)市 椎名昭雄


「黄緑の声」がうまいなぁ。
朝採り、切り立てのキャベツからは
確かにそんな色の声が聞こえてきそうだ。


  8時まで慌てて飲んで店を出る
  時間に支配された生活

        筑紫野市 二宮正博


でも、仕事が終わったら一杯やりたい気持ち、
分かります。
時計をチラチラ見ながらでもね。


  古希となる誕生日にも早起きし
  妻は家族の食事を作る

        山形市 柏屋敏秋


淡々としていてカッコいい奥さまです。
ご主人は何を贈ったら、どんな言葉を掛けたら
喜んでもらえるのでしょう。
柏屋夫人の笑顔を見てみたいですね。


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万智さんが近著の歌集『未来のサイズ』で
第36回詩歌館文学賞(短歌部門)を受賞しました。
おめでとうございます!


未来のサイズ

未来のサイズ

  • 作者:俵 万智
  • 発売日: 2020/10/02
  • メディア: 単行本


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朝日新聞2021年3月6日朝刊)