タブレット純『黄金の音楽時代レコードガイド』(シンコーミュージック・エンタテイメント、2017)

大竹まこと「ゴールデンラジオ」で名前を覚え、
ラジオ日本の番組「音楽の黄金時代」を聴いてみた。
昭和歌謡についての知識の豊富さと、
曲の内容に合わせたその場での弾き語り、声帯模写が抜群に面白い。
タブレット純『黄金の音楽時代レコードガイド [素晴らしき昭和歌謡]』
シンコーミュージック・エンタテイメント、2017)を読む。



番組が立ち上がった経緯を
同局元プロデューサー、ミウミウこと柴田吉彦と純が明かしている。


      ■そもそもミウミウさんは
       なぜ昭和歌謡の番組を立ち上げられたのでしょうか?


  ミウミウ:僕は世代的にいうと、1960年から70年代の小中高大のときに
       浴びるほどテレビ、ラジオ、映画、演劇、音楽を観て聴いていた世代です。
       特に昭和歌謡は、ひたすら聴きまくりました。
       でも比較すると、特に2000年以降のポップスって
       僕から観ると物足りなくて、ずっと飢えていました。
       昭和歌謡に。


       で、せっかくラジオ日本で編成局長やってるんだから、
       やっぱりそういう音楽番組をぜひ立ち上げたいと。
       そして単なる評論家の解説じゃなくて、
       いち音楽ファンとしてその音楽を語れる人を探してたんですね。


       そこで、ピン!ときたのは、
       そう言えばタブレット純って
       昭和歌謡好きだって言っていたことです。


     純:最初お話を聞いたときは耳を疑うっていうか……
       2時間1人でって、すごく良い話だけど、
       できるんだろうかっていうのがまずありました。


       あとミウミウさんに対して、
       最初は確かに見た目も社長クラスみたいな、
       君は知っとるかね、みたいな。
       そういうタイプかなと一瞬思っちゃったんですけど。
       それが全然そうではないっていうのが、徐々に。


  ミウミウ:とにかく昭和歌謡の番組をやりたいということで、
       ゲストとか入れないで、タブレット純一人が好きな曲をかけて、
       オリジナルな自分の言葉で音楽を語る、
       単純明快な……そういうのにしたかったんです。
       タイトルも決めてたんですよ、『音楽の黄金時代』って。
       (略)

                            (p.104)


2016年10月に番組がスタートした後、
9ヶ月後にミウミウが異動。
それまでにRadikoの数字が約2倍に増えていた。
番組は4年半近く経ついまも継続している。