でも、このタイムでは世界と戦えない(池江璃花子)

クリッピングから
讀賣新聞2021年4月5日朝刊
池江璃花子選手、日本選手権女子バタフライ100m優勝
東京オリンピックメドレー代表内定


  東京五輪の代表選考会を兼ねる競泳の日本選手権は4日、
  東京アクアティクスセンターで行われ、
  白血病から復帰した池江璃花子(20)(ルネサンス)が
  女子100㍍バタフライ決勝で57秒77をマークして優勝した。


  池江は日本水泳連盟が定める400㍍メドレーリレー
  派遣標準記録(57秒92)を上回り、代表に内定した。
  2016年リオデジャネイロ大会に続き2度目の五輪出場となる。


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(撮影:上甲鉄)


池江は一問一答でこう言っている。

    ータイムを見た瞬間は。

  「順位が見えた瞬間は驚いた。
  その後に『あっ、リレーの派遣記録を切っている』と思って
  そこで初めてうれしさというか、色んな感情がこみ上げた」


池江の記録:  57秒77
リレー派遣記録:57秒92
個人派遣記録: 57秒10


僕が一番印象に残ったのは次のコメントだ。
毎日には載っていなかったが、讀賣が一面で報道していた。


  「自分が(この種目で)勝てるのはずっと先のことだと思っていた。
  でも、このタイムでは世界と戦えない。
  さらに高みを目指していきたい」


女子100㍍バタフライ世界記録:55秒48

  サラ・ショーストロム(スウェーデン)がリオ五輪(2016)で樹立
  池江は56秒86(日本記録=当時)で同5位入賞。

日本記録:         56秒08

  池江がパンパシフィック水泳選手権(2018)で樹立


僕たち観客は必ずしも数字で感動する訳ではないけれど、
選手たちは数字で競っている。
それを片時も忘れていない池江の言葉に
僕は二度、心を動かされた。


  「でも、このタイムでは世界と戦えない」


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