クリッピングから
讀賣新聞2021年7月5日朝刊
読売歌壇(俵万智選)
今週も好きな歌3首、抜き書きします。
日の長い定時に帰るひょっとして
こんなものかもしれない白夜
京都市 美富うをみ
【評】結句が空欄だったとして
「白夜」を入れられる人は、そういないだろう。
意外性がありつつ、なるほどとも思う。
日常の中の想像力が、心の旅をうながしてくれる。
朝顔にペットボトルで水をやる
小一の子の両手かがやく
宇都宮市 津布久勇
【評】さりげないスケッチだが
「両手」にフォーカスしたところがいい。
どちらでもいいことこれが散歩だと
いうこと右に行ってみること
鎌倉市 冬野水槽
「こと」が三回繰り返されるリズムが
歩く足のテンポに重なってくるようでした。
速歩なのかな。