100分de名著/『陰翳礼賛』—光と影が織りなす美(島田雅彦)

10月のEテレ100分de名著谷崎潤一郎スペシャル」もいよいよ最終回。
同居人は仕事に出ているので二人分の大王名著弁当を作って、
放送開始に備えます。


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海苔おかかごはんと黒胡麻ごはんハーフ&ハーフ。
卵焼き(ウルシヤマで焼いてます)。ほぐし焼き銀鮭。
ブロッコリーおかか和え。味噌汁(じゃがいも、鳴門若布)。


第4回の今夜、島田雅彦講師が取り上げるのは
『陰翳礼賛(いんえいらいさん)』(初出1933-34)です。
テキストでこう紹介しています。



  谷崎の著作のなかでもっともワールドワイドに普及し流通した作品だと思われますが、
  その理由として、本書は文学の領域のみならず、
  日本文化や建築を研究する人にとっても、
  ひじょうにユニークな「教科書」として機能したからです。


  磯崎新(いそざき あらた)や安藤忠雄(あんどう ただお)などの建築家は、
  海外の大学や学会でレクチャーをする際に、
  『陰翳礼賛』の英語版をしばしば参考資料にすると聞きます。
  日本文化論の入門篇として手頃で、啓蒙的で、
  微笑を誘うテキストたり得ているからでしょう。

                              (pp94-95)


陰翳礼讃・文章読本 (新潮文庫)

陰翳礼讃・文章読本 (新潮文庫)

In Praise of Shadows (Vintage Classics)

In Praise of Shadows (Vintage Classics)


講義を聴いていると
島田講師が谷崎に惚れ込んできたことが伝わります。
MCの安倍みちこアナウンサー、伊集院光さんの受け止め、
ときに切り返しが「インタラクティブ」な視聴経験のようで楽しい。
吹越満の朗読(毎回役者が代わります)、
アニメーションや音楽が凝っていて、毎回25分があっという間です。
面白いテレビ番組はあるんだな、と実感します。


島田さんのちょい悪の語り口に惹かれて、
『深読み日本文学』(インターナショナル新書、2017)を併読しています。
「100分de名著」のプロデューサーAもこの本を読み、番組講師を依頼したことが
「こぼれ話」に出ていました。


深読み日本文学 (インターナショナル新書)

深読み日本文学 (インターナショナル新書)

島田雅彦井原西鶴好色一代男』を現代語訳しています)