石井洋二郎/鹿島茂『ブルデュー「ディスタンクシオン」講義』を読む(月刊All Reviews)

カフカ・ファンド」を使ってオンライン講座を申し込んだ。
<石井 洋二郎 × 鹿島 茂、石井 洋二郎『ブルデュー「ディスタンクシオン」講義』を読む>
(90分/税込1,650円)。


ブルデュー『ディスタンクシオン』講義

ブルデュー『ディスタンクシオン』講義


同志社「カフカ講座」(講師:佐藤優、中村うさぎ)
コロナウイルス感染拡大の影響で昨年12月から休講中
引き当てておいた受講料(月1回2講座/税込6,000円)を元に
カフカ・ファンド」を立ち上げたのだ。


Eテレ「100分de名著」12月講座が
『ディスタンクシオン』(講師:岸政彦)だった。
趣味と階級を社会学の視点で結び付ける発想が新鮮で、
訳者・石井洋二郎の解説書・講義録を連読。
この二冊の内容が明晰で、
難解と言われる原著攻略の助けになってくれている。



その折、書評サイト「All Reviews(主宰・鹿島茂)」のマンスリー企画で
東大仏文科同窓である鹿島・石井両氏の初対論が実現した。
書評家でもある鹿島は原著、石井著作を深く読み込み、
分からなかった箇所はここだと正直に告白する。


例えば、原著のキーワードである
「構造化された構造。構造化する構造」がそのひとつだ。
僕もこの概念にとまどった。
鹿島は自分の理解を石井にぶつけ、教えを乞う。
二人のやりとりに知的刺激を受けた。



All Reviews友の会は月報として
月2回、講座を企画、YouTubeで公開している。
ノンフィクション部門・鹿島茂、フィクション部門・豊崎由美(書評家)の二人が
毎月ゲストを招き、必読の本を紹介する。
非会員でも一回ごとに木戸銭を払えば聴講できる仕組みだ。
(2021年から非会員は有料。
 月1,700円の会費を払って会員になれば視聴無料)


デジタルインフラが整ってきたことで
こうした講義・対論のプラットフォームが可能になった。
裏方では本好きの若いスタッフが活躍している様子もうかがえる。
自宅をベースに学ぶ一書生にはこんなに有難く、愉快なことはない。
自分にとって必要で面白いものは
根気よく探せば見つかるのだ。