キングジム公式ツイッター担当者『寄り添うツイッター』(KADOKAWA、2020)

テキスト「NHKラジオビジネス英語」に連載中の
「The Writers' Workshop」に毎月応募している。
「日本語の文章を、自然な英語で表現するチカラを磨く」講座だ。
講師は佐藤昭弘先生。
現在は「NHKワールド」英語ニュース番組のライター、リライターを務める。



2か月ごとに異なるテーマから先生が出題する。
7月号は6月に続いて「ソーシャルメディア」。
先生が問題作成に使ったネタ本にも目を通している。
英文を書くとき、何かヒントが転がっているかもしれないからだ。


7月の出題本を読む。
キングジム公式ツイッター担当者『寄り添うツイッター
ーわたしがキングジムで10年運営してわかった「つながる作法」』
KADOKAWA、2020)。



「おわりに」から引用する。


  私はある日突然ツイッター担当者になり、
  当時はなにをするにも「ぼっち」で、とても孤独でした。
  職場でパソコン画面に向かってクスクスと不敵な笑みを浮かべ、
  肩を小刻みに揺らしながらツイッターを行う姿は、
  傍から見ても、だいぶ「ヤバい奴」だったことでしょう。


  ツイッター担当者は、
  今となっては世間でもスタンダードな「仕事」として
  市民権を得るようになりましたが、
  黎明期からの運営は「茨の道」でした。
  本書では10年という長い期間の中で
  特徴的だったテーマを中心に紹介しました。


  活動を振り返ったとき、
  いまでも私の中に、二つだけブレないものがあります。
  「どんなことが起きても諦めない粘り強さ」と
  「ほんの少しの勇気」。


  精神論と言われればそれまでですが、
  10年間続けられたのは、知識でもセンスでもコミュ力でもなく、
  この二つのおかげでした。
  ツイッターは理屈では片づけられないことがたくさんあります。
  手探りでやる仕事には、明確な答えがないのです。
  (略)

                       (p.253)


本書を読み、キングジム公式アカウントのツイートにも目を通して、
「なるほど、ツイッターにはこんなコミュニティの作り方もあったんだな」
と納得がいく思いだった。


僕自身は2009年にツイッターを使い始め、
最近では細々としか利用していなかった。
いい機会だと思い、フォローリストを見直し、整理した。
僕なりの、2021年の使い方が見つかるかもしれない。


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ちなみに先生が7月の問題文に使ったのは、
「公式アカウントから、はじめての発信」と小見出しが付いた
以下の本文だ。


  初めて見たツイッターの画面は、
  「#」や「RT」など、正体不明の文字や記号が飛び交う
  謎の空間でした。
  雲をつかむよう、とはこのことです。
  その日は会社の帰りに大型書店に行き、
  参考になりそうな書籍を買い込み、
  徹夜で知識をつめ込みました。


  しかし読めば読むほど、雲をつかむよう……
  というより、濃霧の中に足を踏み入れてしまった感覚に陥りました。
  当時、SNSについて解説した本は少数で、
  内容も少々専門的なものが中心でした。
  2010年時点でSNSという新しいツールに手を伸ばすのは、
  新しいものに敏感で、ある程度の予備知識も備えた人たちだった、
  ということなのでしょう。


  解説書を読んでも、用語や仕組みについての説明はあるものの、
  「最初の一言はどう書くの?」「つぶやきって、どんな内容がいいの?」
  といった素朴すぎる疑問、もとい「不安」を
  払拭してはもらえなかったのです。

                         (pp.34-35)


出題から投函まで4週間。
下調べに始まって、締め切り前の推敲まで
問題と格闘する醍醐味を毎回味わっている。
提出からおよそ2ヶ月後、テキストに掲載される解説を精読する。
先生の教養の深さ、出典・原典まで調べ抜く徹底ぶりを知る。


応募シール付きテキスト購入費(550円)、
原稿コピー代(40円)、郵送料(84円)。
月謝674円で通う僕の「英語道場」だ。
(ネタ本購入費は別途。僕は古書店サイトで見つけている)


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