在宅勤務で、大王ランチ

前夜の台風15号の影響が心配だったので
目覚めたときに上司にメールを送り在宅勤務に切り替えた。
今年から事前のメール送付だけで書類を提出することなく
月5回まで在宅勤務が認められるルールに変わった。
打合せ等もなくひとりで進める仕事だったので、効率がよかった。


通常でも通勤に往復2時間半かかる。
今朝は運行復旧後も改札から大行列だったから、
それ以上の時間を節約できたと思う。


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ランチは大王食堂謹製。
バタールトースト(w/バター、クリームチーズ)。スペイン風オムレツ。
かぼちゃサラダ。トマトとブロッコリー(w/人参ドレッシング)。
アイスコーヒー。ぶどう(ベリーA)。


疲れたら休憩し、休んだらまた取り組んで、
きょう会社でやろうと計画していたひとまとまりの仕事をやり終えた。


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資本主義に未来はあるか(イマニュエル・ウォーラーステイン)

クリッピングから
朝日新聞2019年9月4日朝刊
ウォーラーステインさん死去
社会学者 「世界システム論」


  近代の世界を一つのシステムとしてとらえる
  「世界システム論」を提唱したアメリカの社会学者・歴史学者
  イマニュエル・ウォーラーステインさんが8月31日死去した。88歳だった。
  (略)


  1930年、米ニューヨーク生まれ。
  アフリカ研究から出発し、大航海時代以後の世界で
  銀や砂糖、綿花などの交易によって
  オランダ、英国、米国という「覇権(ヘゲモニー)国」を中心にした
  資本主義経済のシステムが形成されたと主張した。


  冷戦終結で権威が落ちたマルクス主義に代わり
  巨視的な歴史理論として大きな影響力を持った。
  日本では高校世界史の教科書でも紹介されている。
  

  1974年から刊行が始まった主著「近代世界システム」は
  1450年から現代までの歴史を描く計画だったが、
  2011年の第4巻は1914年までの内容で完結していない。
  (略)
                (大内悟史、編集委員・村山正司)


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ウォーラーステインらの共著
『資本主義に未来はあるか—歴史社会学からのアプローチ』を
拾い読みしていたところだった。
世界システム論」についてはこれまで深く勉強したことがなかったので、
今後取り組むテーマのひとつにしてみようと思う。
どうぞ安らかにお休みください。


資本主義に未来はあるか──歴史社会学からのアプローチ

資本主義に未来はあるか──歴史社会学からのアプローチ

wikipedia:en:Immanuel Wallerstein
ウォーラーステイン(ジャパンナレッジ)

では若い人に席を譲ろう(池澤夏樹)

クリッピングから
朝日新聞2019年9月4日朝刊
池澤夏樹 終わりと始まり
身に染みる衰え 老いては若きに席を譲ろう


  まずは個人的な話。
  自分が老いたと思う。それが日々実感される。
  身体能力が少しずつ失われる。
  基礎代謝が減るとはどういうことか。
  食物として入ってくるエネルギーを活動に変える機能が低減する。
  身体の方がもうそんなに働くなと言っているかのよう。
  (略)


  駅の階段を下りる時は一歩ずつ決意して踏み出す、
  歩道のわずかな起伏に躓(つまず)きかねない。
  長く坐(すわ)っていた後で立つとふらつく。
  万事ゆっくり。万事慎重。つまり愚図(ぐず)。
  (略)


  身体能力が足りないからエネルギーを節約する。
  つまりすべてにおいて横着になる。
  すぐにしなくても済みそうなことはさぼる。
  身辺が散らかっていわゆる汚部屋に近づく。
  不義理が増える。メールの返信が遅れる。
  みなさんごめんなさい、と言いながらも手が動かない。
  (略)


  知的好奇心が衰えた。
  新しいものに飛びつかなくなった。
  旅に出る時、昔ならば事前にずいぶん予習をしたのだが、
  最近は着いてからインターネットに頼る。
  ものの見かたが浅くなっていないか。


  ぼく個人のことはどうでもいい。
  愚痴ないし繰り言と聞き流していただいて結構。
  しかし社会の高齢化というのは
  つまりぼくのような老人がどんどん増えるということである。
  申し遅れたがぼくは今は七十四歳と二か月。
  来年は後期高齢者。その後は晩期高齢者で、やがて末期高齢者。
  (略)


  社会の平均年齢が年々上がる。
  若い世代を準備しなかったのだから当然である。
  我々は商業資本とテクノロジーが提供する
  目の前の悦楽にうかうかと身を任せ、
  出産・育児・教育という投資を怠ってきた。
  国の無策は今さら言うまでもない。


  と書きながら、悲憤慷慨(ひふんこうがい)でもない。
  いずれ退場する身とは承知している。
  では若い人に席を譲ろう。
  年下の諸君、幸運を祈る。


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池澤さんのコラムを読みながら、
ここは同じだな、ここはちょっと違うな、と反応している自分がいる。
「若い人に席を譲る」とはどういうことか。
仕事の役職ならとっくの昔に譲っている。
他に譲るものがあるとしたらいったい何だろう、
と考えている自分がいる。
池澤さんは僕より10歳ほど年上になる。


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池澤さんが蓄積してきた知の技術を惜しげもなく開陳した一冊(評論家・副島隆彦さんが自身の「老い」について語っている)

すごい隠居生活、池内紀

クリッピングから
讀賣新聞2019年9月5日朝刊
訃報 池内紀さん死去 78歳 ゲーテ翻訳やエッセー


  ゲーテカフカの翻訳から上質なエッセーまで、
  幅広く文筆活動を展開したドイツ文学者の
  池内紀(いけうち・おさむ)さんが8月30日、
  虚血性心不全で死去した。78歳だった。
  (略)


  東大の教壇に立つ傍ら、
  山や温泉など様々なテーマを扱った文章でも人気を集めた。
  96年、55歳で「隠居をしたい」と退官し、文筆に専念。
  親しみやすい日本語の翻訳により、
  ゲーテの「ファウスト」で毎日出版文化賞
 「カフカ小説全集」で日本翻訳文化賞。
  (略)


  弟の了(さとる)さんは宇宙物理学者、
  次男の恵(さとし)さんはイスラム研究者。


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(左に社会学ウォーラーステイン、下に長谷川慶太郎の訃報が掲載された日)


10月に開講する同志社社会人講座、
佐藤優さんと中村うさぎさんのクラスでは
池内紀さんが翻訳したフランツ・カフカ『城』を解読する。
古書店サイトで購入して、ポツポツ読み始めたところだった。


城―カフカ・コレクション (白水uブックス)

城―カフカ・コレクション (白水uブックス)


東大文学部教授を定年前の55歳で退官し、
「隠居生活」に入っていたとは知らなかった。
アカデミアの誰もが望む地位を自ら捨てることは、
そうそう真似できることではない。
だからこそあれだけの量の、
幅広い執筆活動ができたのだろうと腑に落ちた。
「早め」の退官を選択することで、
23年分の「隠居時間」を手に入れたのだ。


ことばの哲学 関口存男のこと

ことばの哲学 関口存男のこと


2017年出版の『すごいとしよりBOOK—トシをとると楽しみがふえる』
シニア生活の励みになって、読むのが楽しかった。
こんな「隠居」ができるならちょっと憧れるな、
と思っていたのだ。


池内さんのことだから、
天国でも辺りを散策し、エッセーを執筆しているかもしれませんね。
どうぞ安らかにお休みください。


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(記録し忘れたが、おそらく朝日新聞の訃報)


wikipedia:池内 紀

1万円クラスに負けない書き味、「マイ・ファースト万年筆」(税別1千円)

クリッピングから
朝日新聞2019年9月2日夕刊
発創カンパニー パイロットコーポレーション
キッズ万年筆 大人もつかむ


  ペン先には笑顔のマーク。
  オレンジやライトグリーンのポップな色使い。
  子どもが自然と正しく握れる、緩やかな三角形のグリップ。
  1千円(税別)の万年筆「カクノ」は
  パイロットコーポレーション(東京都中央区)が2013年に発売、
  半年で年間目標の倍の30万本を売った。


  「それまでなかった本格的な子ども向け国産万年筆という狙いでした」。
  営業企画部高筆企画グループ係長、斉藤真美子さん(45)は振り返る。
  前年には若い男性を狙ったスタイリッシュで書き味の良い万年筆
  「コクーン」を3千円(税別)で販売。
  その開発にも携わった斉藤さんは
  「『1千円で』という経営側の注文はこのころからあった」と明かす。
  ただ、1千円で作れるのかという声も社内に少なくなかったそうだ。
  (略)


  小学生は胸ポケットに刺さず、筆入れを使う。
  クリップをやめ、転がりを防ぐ小さな突起を付けた。
  コスト削減のため部品は六つに絞り、
  キャップをカラフルにする一方、本体は統一。
  子どもにもわかりやすい説明書も付けた。


  コンセプトは「マイ・ファースト万年筆」。
  万年筆を使い続けてもらうため、こだわるべき所はこだわった。
  コクーンのペン先を使い、書き味とコスト減を両立。
  ペン先は一本一本、人の手で確かめる。
  (略)


  「万年筆の字は個性が表れて味わい深い。
  次の百年も使い続けてもらうにはどうすればいいか」。
  斉藤さんらは考え続けている。
                       (石村祐輔)



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パイロット 万年筆 カクノ FKA-1SR-RM 中字 レッド

パイロット 万年筆 カクノ FKA-1SR-RM 中字 レッド


「書き味は1万円クラスの万年筆に負けません」。
同社の斉藤真美子さんと雑村芽衣さんが
インタビューに答えて語っている。
万年筆フェチの僕は
カクノもコクーンもとっくに愛用しています。
どちらも万年筆の傑作、さすがはパイロットと感心していました。


斉藤さんの裏話を聞くと「なるほど」とうなずきます。
クリップをやめ、小さな突起を付けるなど細部に配慮すると同時に
コスト削減のために部品数を最小にし、ペン先を他製品(コクーン)と共通化する。
1千円(税別)の「マイ・ファースト万年筆」が誕生しました。
日本の文房具メーカーの底力、職業的良心を感じた記事でした。


一人でシャワーを浴びながら泣くよりいい(大坂なおみ)

クリッピングから
朝日新聞2019年9月2日朝刊
大坂なおみ 女王の気遣い
「一人で泣くより」 敗れた15歳と一緒にインタビュー


  テニスの全米オープンで31日、女子シングルスで連覇を狙う
  大坂なおみ日清食品)が4回戦進出を決めた後、
  粋な計らいで大観衆の心をわしづかみにした。
  米テニス界の新星、15歳のコリ・ガウフとの激突だった。


  7月のウィンブルドン選手権で4回戦まで進出し、
  一躍脚光を浴びた「天才少女」に快勝した21歳の大坂は、
  涙ぐむガウフを慰めた。
  さらに普通は勝者だけのコートインタビューを一緒にしようと誘った。
  「一人でシャワーを浴びながら泣くよりいい」
  注目の若手の肉声を観客は聞きたいはず、という心配りだった。


  フロリダ州の同じアカデミーで練習した時期があり、
  互いの家族も知る間柄。
  大坂はガウフの家族席に向かい、
  「あなたたちはすごい選手を育てた。
  私たち2人がここまで到達できたのはすごいこと」と思い出を語った。


  ガウフは記者会見で「ナオミは真のアスリートだと証明した。
  コート以外では親友になれる」と感謝した。
  大坂は1年前の全米決勝でセリーナ・ウィリアムズ(米)を破り、優勝した。
  しかし、セリーナが主審の判定にしつこく抗議する騒動を起こし、
  怒号の中の表彰式で大坂は涙に暮れた。
  (略)
                  (ニューヨーク=稲垣康介)


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テニス女王としての大坂の
ガウフ、その家族、観客への配慮に感心した。
真のアスリートの姿だろう。


一方、1年前、大坂との全米決勝で
主審への抗議で勝利へのあくことなき執念を示したセリーナも
真のアスリートのひとつのカタチだろう。
それくらいでなければ世界で勝ち続けることはできない。
いつかガウフが大試合のコートで
大坂を倒す日が来るかもしれない。


セリーナと大坂のどっちが好きかって?
そりゃ、大坂なおみに決まってますよ!

大王弁当持参で仕事に出掛けます

枝豆ごはんと同居人が作り置きした惣菜が残っていたので、
本日は大王弁当、ポットのアイス麦茶持参で仕事に出掛けます。


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枝豆ごはん。大根菜オキアミ。カボチャとインゲン。
ひいか生姜煮。塩昆布。
隣のCビル広場に出ている椅子、テーブルで戸外ランチ。
密閉された高層ビルで働いていると(僕の部署は41F)、
ときどき外の空気を吸いに出たくなりますね。


食後は村上春樹騎士団長殺し』英訳版を少しずつ読み進めています。
あ、この日本語の文章ををこういうふうに英語で表現するんだなぁ
と勉強になります。
村上さんの著作英訳チームは個性と力量のある翻訳者がズラリ揃っていて、
英語のリズムを味わう至福があります。


Killing Commendatore

Killing Commendatore

(僕はkindle版を購入し、iPhoneで読んでます)


騎士団長殺し』英訳版 "Killing Commendatore" 翻訳:
Philip Gabriel, Ted Goossen