哲学・思想

『資本論』は精神安定剤だった(下川裕治)

土曜日はコインランドリーで洗濯の日。 洗濯40分、乾燥45-60分(ジーンズがある場合は60分)が だいたいの目安。 待ち時間を活用して 駅前区民センター4FのK図書館に行く。 窓口で保存用新聞をお借りして、 読み漏らした分の毎日日曜朝刊「今週の本棚」を読…

宇野弘蔵『経済原論』(岩波文庫、2016)(再読)

粘り強く問題を考える持続力を持つ人だけが、 全体と細部を見通す展望を持てるのかと思う。 宇野弘蔵『経済原論』(岩波全書1964、同文庫2016)を再読する。 宇野が書いた「序」の意味がようやく身に沁みてきた。 経済原論 (岩波文庫)作者: 宇野弘蔵出版社/…

『資本論』第2ラウンド、岡崎次郎訳で

『資本論』第2ラウンドは国民文庫(岡崎次郎訳)に挑戦。 高畠素之訳で全5巻通読した後で読みやすく感じる。 「岩波英和辞典」を編んだ田中菊雄先生の 「全体は部分の最良の註である」の言葉通り、 なにはともあれ通読してから二度目に入ると風景が開けてく…

『資本論』(邦訳全5巻/原著全3巻)初読破に成功!

分厚い岩盤を貫通して 向こう側の景色を見たような思いがする。 カール・マルクス『資本論』(原著2巻3巻編纂:フリードリヒ・エンゲルス) (全5巻=原著は全3巻、高畠素之訳、改造社、1927-28)を読破した。 初通読を目標に、序文、注、図表などはほぼすっ…

朝日新聞連載「パノプティコンの住人」

安倍1強時代の政治の本質に迫ろうと試みる 朝日新聞連載「1強」第2部 「パノプティコンの住人」が期待をそそる。 朝日新聞2017年4月18日朝刊から引用。 パノプティコン。 もともとは監視者がいてもいなくても 囚人が監視を意識する監獄施設のこと。 転じて20…

大澤真幸が読む古典百名山『資本論』

きょうのスクラップブックから。 朝日新聞2017年4月16日朝刊。 「古典百名山ー大澤真幸が読む」。 大澤が取り上げたのが カール・マルクス『資本論』。 「ここ二百年間に出た人文社会系の本の中で 最も重要な本」と大澤は断言する。 以下記事から引用する。 …

高畠素之訳『資本論』(全5巻、改造社、1927-28)

高畠素之訳『資本論』をゆっくり読み進めている。 先日、自主プレミアム・フライディで 神保町を散策していて目に止まった。 家に帰ってサイト「日本の古本屋」で相場を調べた。 僕が登録している都内5区の図書館は どこも所蔵していなかった。 翌週買いに来…

松本亨『英語の新しい学び方』(1965)

英語学の齋藤秀三郎、 ドイツ語学の関口存男の著書・伝記を読んでいるうちに、 僕の英語の師のひとり、松本亨先生に 久々活を入れてもらいたくなった。 松本亨『英語の新しい学び方』(1965)を読む。 英語の新しい学び方 (講談社現代新書 (52))作者: 松本亨…

ヴィトゲンシュタイン/木村洋平訳『論理哲学論考』(2007)

池内紀が著書『ことばの哲学—関口存男のこと』参考文献で ヴィトゲンシュタインの新訳について一言触れていたのが印象に残った。 ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン/木村洋平訳 『論理哲学論考』(2007)を読んでいる。 論理哲学論考作者: ルートヴィヒヴ…

池内紀『ことばの哲学—関口存男のこと』(2010)

大学教養課程のときに参考書を購入し、 独特の文章にいたく感激しながらも、 始めの方で挫折したことを思い出した。 いまその本は手元には残っていない。 関口存男(つぎお)のドイツ語学習参考書だ。 池内紀『ことばの哲学—関口存男のこと』(2010)を読む…

達成感を味わえば前に進める(イチロー)

シニア・ブロガー「TOSHIの鏡」さんなら こうした場面でどんな記事を書くだろうと想像してみる。 天皇陛下のお言葉が発表された場面や、 イチローの大リーグ3,000本安打達成の場面だ。 いま「TOSHIの鏡」は休載中で、 愛読していた僕はコメントが聞けなくなっ…

宇野弘蔵『経済原論』(1964/2016文庫版)

ゴツゴツした文章を読み進むうちに 「あれ、なんだか『資本論』のエッセンスが 分かってきた気がするぞ」と思える瞬間が何度かあった。 宇野弘蔵『経済原論』を読む。 経済原論 (岩波文庫)作者: 宇野弘蔵出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2016/01/16メディ…

宇野弘蔵『資本論に学ぶ』(1975/2015文庫版)

2014年からのトマ・ピケティブームの余波だろうか。 長く忘却されていた学者の著作が40年ぶりに復刊した。 宇野弘蔵『資本論に学ぶ』を読む。 資本論に学ぶ (ちくま学芸文庫)作者: 宇野弘蔵出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2015/02/09メディア: 文庫この商…

佐藤優『私のマルクス』(2007)

その強靱な知的体力の基盤がどうやって築かれたか、 この本を読んでいると想像が湧いてくる。 佐藤優『私のマルクス』を読む。 佐藤は生涯に三度マルクスに出会ったと告白する。 本書は一度目、二度目のマルクスとの出会いの物語を軸に 2006年から07年にかけ…

鎌倉孝夫/佐藤優『はじめてのマルクス』(2013)

「資本論」の勉強を続けている。 鎌倉孝夫/佐藤優『はじめてのマルクス』を読む。 対談の形式を取っているが、 「資本論」をいま学ぶ意義はなにか。 「資本論」を読み解く上でどこでつまづくか。 そうしたことが分かる副読本になっている。 はじめてのマル…

岡崎次郎『マルクスに凭れて六十年 自嘲生涯記』(1983)

破天荒な生涯とも言えるが憎めない。 自分のそばにいたら付き合うのは結構骨が折れるだろう。 マルクス「資本論」を生涯で三度翻訳した男、 岡崎次郎の伝記を読む。 題して『マルクスに凭(もた)れて六十年 自嘲生涯記』。 マルクスに凭れて六十年―自嘲生涯…

佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』(2010)

革命の本体、それは文学なのです。 暴力など、二次的な派生物に過ぎない。 (本書腰巻より) メディア: 購入: 30人 クリック: 710回この商品を含むブログ (130件) を見る 佐々木中(あたる)『切りとれ、あの祈る手を <本>と<革命>をめぐる五つの夜話』…