カンヌ

巨大怪物と格闘する数日間

今年のカンヌ・フェスティバル前半戦終了。 午前中は見たいセミナーがないので、 ホテルのガーデン・オフィスで仕事に取り組む。 午後から二つセミナーを覗き、 旧市街の丘の上で開催する招待制パーティに参加。 その後は会場に戻って三夜連続の授賞式。 第…

庭のある小さな三つ星ホテル

カンヌ市最大の収入源は 一年の各期間に予定されたコンベンションである。 カンヌ国際クリエティビティ・フェスティバルもその一つだ。 ホテル宿泊料は需要と供給の関係で変化する。 (料金はシーズン毎に決まっていて変動相場制ではない) 一番高額なのは5…

Cinder−グランプリ・オープン・ソース・プログラム

カンヌ国際クリエティビティ・フェスティバル二日目。 (Simplicityを旨とするフェスティバルのくせに名前が長い! TEDのように呼びやすい略称もまだない。なんとかならんか) イノベーションライオンの生プレゼンテーションと David Droga審査委員長率いる…

カンヌの天下を次に取るのは誰か

土曜日の朝のカンヌはまだ人が少なく静かである。 今年は12,000人が参加するというから、 これから続々カンヌ入りしてくるのだ。 登録を済ませ、 今年から新カテゴリーとして始まったイノベーションライオンの ショートリストプレゼンテーションを見に行く。…

14回目のカンヌ

14回目のカンヌにやってきた。 現在の正式日本語名は カンヌライオンズ国際クリエティビティ・フェスティバルだ。 91年に当時の出向先W社長に派遣していただいたのが最初だ。 22年前になるから、もう遠い昔だ。 以来、審査員を務めたり、費用を積み立てて同…

メニューは物語る(カンヌ篇)

カンヌの勝利と敗北の後で

カンヌ・クリエティビティ・フェスティバル終幕。 この一年の勝者とその数十倍の数の敗者が決まった。 敗北の後の一年はことさら長い。 勝利に酔うのも、敗北にうちひしがれるのも今宵限り。 一度二度三度、作品そのものに孤独で向き合い 研究し尽くす時間が…

予期せぬ出会いに会話が弾む

敬愛するクリエーティブの先輩Mさんに声をかけていただき ランチをともにする。 間に入ってくれた友人Kさんと三人だ。 Kさんが「ここのパスタはうまいんですよ」 と絶賛するイタリアンレストランに入る。 カンヌでアルデンテが食べられる店は数少ない。 いま…

へそ曲がりがカンヌをうろつく

今年のカンヌの目玉である ビル・クリントンのセッションはパス。 みなさんに大人気であればあるほど、 僕のへそ曲がりの性が顔を出す。 なんだっていまさらクリントン(しかも旦那)の話を カンヌで聴かなきゃいけないんだい? まぁ僕が何を言っても、会場…

カンヌの混沌と世代交代

第59回カンヌ・クリエティビティ・フェスティバルも いよいよ後半戦。 この数年カンヌはセミナー重視にだいぶんシフトしてきた。 参加者は少しでも新しい知見を持って帰ろうとするのか、 今年はどのセミナーもほとんど満員札止め。 確かに以前のように作品だ…

その声がドビッシーホールを充たした

朝から夕方まで7本のセミナーを聴く。 TED@カンヌでギター片手に二曲披露した エチオピアの若い女性、Meklit Haderoの唄声が一番素晴らしかった。 700人から800人は入るドビッシーホールが 彼女ひとりの声の響きで充たされた。 TEDはTechnology, Entertainme…

半ば尊敬、半ば嫉妬の授賞式

午前中、セミナーを二つ覗く。 JWTはこどもの天才3人をゲストに呼ぶ。 ゲーム開発、段ボールアート。 ふたりの少年の活動が興味深い。 ランチは同僚YさんとLa Farigouleに行く。 このレストランは16€のランチがとても充実している。 特に前菜が質量ともに素…

カンヌの市場で一息入れる

カンヌ会場に通うかたわら、 市内にふたつある市場のひとつ、Marché Forvilleを覗く。 野菜、果物、キノコ、魚貝、ハム、チーズ、生花。 人がその土地で暮らすことがどういうことか、 市場は食材や商いを通じて僕に教えてくれる。 笑顔が素敵な年配女性の店…

カンヌに来ている

昨年に続いてカンヌにやってきた。 カンヌは名称から「Advertising=広告」を捨てたから、 カンヌ国際クリエティビティ祭。 ちょっと語呂が悪いですね(苦笑)。 カンヌサイトから自分でGホテルを予約。 一泊170€。朝食8€。 華美なところはひとつもないが、 …

祭りの後の余熱

第58回カンヌ国際広告祭が終わった。 入賞作、セミナーなどはしばらくは公式サイトで 見ることができる。 (一二ヶ月すると受賞作にアクセスできなくなるので注意) (フィルムクラフト審査委員長、Keith Rose。 僕が大好きな南アフリカの演出家) (最終日…

カンヌのある止まり木

僕の友人である向井さんは 映像コンテンツ制作会社社長である。 向井さんの会社スプーンはここカンヌで 7年連続でアパートメントを借りオープンハウスにしている。 向井さんは今年カンヌ入りしていながら 実は一度もカンヌ広告祭の会場に足を運んでいない。 …

地元客に愛されている店で

セミナーやフィルムを休憩なしに見続けるときは 地下の売店でサンドイッチと飲み物を買ってきて 座席から動かずに食事を済ませる。 そうして一日が終わったら、街を歩く。 表通りだけでなく裏通りも歩く。 地元の人たちがうれしそうに食事していて 観光客ら…

ベルリンスクール・オープンハウス

カンヌは僕の母校であるベルリンスクールの フィールドワークの場でもある。 一週間ベルリンで学び、一週間をカンヌで学ぶ、 計二週間の短期集中講座があるのだ。 (級友ギデオン・アミチャイ。 誰もが実現できないと思うことを提案する日を 彼の会社では毎…

カンヌでも「狼煙」を上げた

カンヌでも「復興の狼煙」を上げた。 NPOであるACT Responsibleが企画・運営する Tribute to Japanの展覧会である。 釜石市の被災者のみなさんが登場する13点のポスターが このプロジェクトの経緯を説明したボードとともに 特別コーナーに展示されたのだ。 …

それが詩であることを後で気づく

カンヌで朝から夕方までセミナーをぶっ通しで見聞きしていると、 面白いことに気づく。 近頃のソーシャルメディア興隆について 小器用にまとめたプレゼンテーションはなんら力を持たない。 例えばTED@Cannesで 三人目のスピーカーとして登壇した女性詩人の発…

二番手三番手になることを恐れるな

きょうのセミナーの目玉は Malcolm Gladwell。 雑誌 "New Yorker" の常連執筆者として知られています。 Kraft Foodsが彼を招聘しました。 Kraftの女性重役がキュレーターとして優秀なんでしょうね。 Malcolmの主張は 「イノベーターとして一番手をめざすより…

今年のカンヌは広告祭?創造祭?

第58回カンヌ国際広告祭に来ています。 カンヌに来るのは3年ぶりです。 今年の正式名称からadvertisingが取れて festival of creativityとなりました。 カンヌ国際創造祭と訳すのでしょうか。 日本語の訳語としてはまだちょっとこなれていませんね。 今回は…

カンヌで「復興の狼煙」

会社のデスクまわりに二枚のポスターを貼った。 釜石市で被災した方々を撮った 「復興の狼煙」ポスタープロジェクトの作品だ。 「前よりいい町にしてやる。」 「大笑いできるその日まで。」 このプロジェクトからは既に 釜石市で18点、大槌市で10点のポスタ…

テレビジョンに命を吹き込んできた50年「CM博覧会」

カンヌ国際広告祭のセミナーに参加しているのかと思うくらい、 質の高いセッションが目白押しだった。 ACC(全日本CM協議会)創立50周年記念 「コマーシャル博覧会〜CMの過去・現在・未来〜」が 12月2日、3日の両日、有楽町マリオン朝日ホール他の会場で開か…

Sympathy(共感)が世界を動かしている

あるクライアントでの プランニング・セッションが終わった。 仲間たちとチームを組んで夏から三ヶ月準備してきた。 100人ほどのみなさんと二時間半のセッション。 反応はよかったんじゃないかと思う。 僕は今年のカンヌ国際広告祭入賞作を紹介しながら コミ…

NHKラジオ語学講座09上半期レビュー(その4)

<英語の巻3> ●「入門ビジネス英語」(通年講座) (エド・スミス/藤本ケイ/デイヴィッド・ネヴィン/金井真努香) テキストを執筆するスタッフ2名、放送するスタッフ2名。 4名で1チームとして運営していく英語講座。 このチーム方式は昨年度から採用され…

分類するプチ夏休み

第1回プチ夏休み最終日を活用して カテゴリー分類して書いたものを整理してみました。 閲覧が多かった「ベルリンスクール」「カンヌ」 「アドフェスト」「英語」などは これで過去のエントリーもまとめてお読みいただけます (1ページで10日分を読めます。 …

くつろぐ猫

カンヌ・猫のフィギュアシリーズ(その6)。 最終回は、くつろぐ猫。 うっとりしている茶トラ猫の表情が なんとも言えませんね。 我が家のコトランと同じ模様なので 親近感が湧いて手に取りました。 のみの市で100体以上の中から 選り抜き6体を買ってきまし…

ネズミを狙う猫

カンヌ・猫のフィギュアシリーズ(その5)は ネズミを狙う猫。 黒白と茶トラ、二匹の子猫が 地面を歩くネズミを塀の上からじっと眺めています。 狩りの本能がうずいているのは まず疑いの余地がないでしょう。 哀れネズミは、 おのれの生命が危機にさらされ…

乳をやる猫

カンヌ猫フィギュアシリーズNo.4 「乳をやる猫」です。 黒猫が二匹、茶色猫が三匹、 合わせて五匹の子猫が 茶虎母さん猫のおっぱいを吸ってます。 母さん猫の恍惚たる表情が見ものですね。 子どもに乳をあげるのは 母親としてさぞや幸せな時間なんでしょうね…