こども/お年寄り

何とかしてサーカスにさらわれたい

クリッピングから 朝日新聞2019年7月11日朝刊 寂聴 残された日々 49 ふるさとの夕暮れ 「子取りが来るで」 呼ぶ母の声 子取りにさらわれると、 サーカスに売られて、帰れないと聞かされていた。 一年に一度、広っぱに来て 象色のテントを張るサーカスが好き…

「今、不登校中なんです」(原田弘子さんの先輩Aさん)

スクラップブックから 朝日新聞2019年6月13日朝刊 読者投稿欄「ひととき」 「楽しんでおいで」の力 横浜市 原田弘子 介護福祉士 53歳 憧れる先輩がいる。 4人の子を育て上げた6歳上の女性、Aさんだ。 最もすごいと思ったのは、 娘さんがプチ不登校になったと…

朱野帰子『対岸の家事』(講談社、2018)

いまの日本社会では子どもができたり、 親が認知症や要介護状態になったとたん、 一気に社会的弱者に追い込まれる可能性が誰にでもある。 自分が弱者になるまではそうした苦境も他人事に過ぎない。 朱野帰子『対岸の家事』(講談社、2018)を読む。 「火事」…

なんかい ころんでも(児玉ひかり)

スクラップブックから 朝日新聞2019年5月20日朝刊 「書く」新時代の決意 なんかいでも おきあがる ころんでも ひかり 東京都江戸川区立下鎌田東小学校2年 児玉ひかりさん(7) (略) ことしの3月3日に、 ちいさいころのともだちとにいがたへスキーにいきま…

いたいところあったら いってね(安助美咲)

スクラップブックから 讀賣新聞2019年4月25日朝刊 こどもの詩 かげふみ 安助 美咲 だいじょうぶだと おもうけど いたいところあったら いってね ふまないように するからね (埼玉県宮代町・姫宮成就院幼稚園年中) こどもの発想、表現には いつも驚かされま…

やばい点数 とってもあせって(武田若菜)

スクラップブックから 讀賣新聞2019年4月22日朝刊 こどもの詩 テスト 武田若菜 やばい点数 とってもあせって ぐちゃぐちゃにして よくゴキブリがいる ママがぜったい開けない所に おしこんだ (茨城県ひたちなか市・髙野小4年) ゴキブリがママに告げ口しま…

夫の「太陽光蓄電池」でありたい(奥寺幸子)

スクラップブックから 朝日新聞2019年2月20日朝刊 読者投稿欄「ひととき」 夫の「蓄電池」に 札幌市 奥寺幸子 主婦 75歳 1年ほど前から、 「5歳の男の子」が、我が家の子どもになっている。 おい夫婦から贈られたこの子は、 おしゃべりするおもちゃの人形。 …

暖かい「赤」の色(橋本美和子)

スクラップブックから 朝日新聞2019年1月21日朝刊 読者投稿欄「ひととき」 暖かい「赤」の色 横浜市 橋本美和子 主婦 82歳 (略) 私は、複数の障害がある視覚障害児の施設で 栄養士をしていました。 梅干しづくりをしていた時、 当時5歳の女の子だった、全…

♫ しあわせはぁ〜 あるいてこない だから あるいていくんだよ

土曜日。 コインランドリーに一週間分の洗濯物を入れる。 小型洗濯機を3台同時に回す。 あんまり暑かったので グリコジャイアントコーンを100円ローソンで買って K図書館併設児童館ベンチで一休み。 小学生くらいの子どもたちが、 館員もしくはボランティア…

あとは野となれ、山となれ(三上敏子義母)

スクラップブックから 朝日新聞2018年8月22日朝刊 読者投稿欄「ひととき」 義母の言葉を胸に 東京都練馬区 三上敏子 主婦 71歳 私は近ごろ、義母のことを 懐かしく思い出している。 昨年12月に104歳で旅立った。 義母は私が相談すると 「明日は明日の風が吹…

しょうたろう、わらうんだ(鈴鹿将太郎)

スクラップブックから 朝日新聞2018年8月20日朝刊 こどもの詩 わらう 鈴鹿将太郎 みんな しょうたろうがわらってると わらうんだ みんなが わらってるほうがいいから しょうたろう わらうんだ (茨城県坂東市・ 認定こども園ひまわり年中) 将太郎くんのまわ…

相手のことを考えられる人になりたい(小粼未来翔)

スクラップブックから 朝日新聞2018年7月27日朝刊 読者投稿欄「声(Voice)/若い世代」 ぼくに大黒柱の価値あるか 小学生 小粼 未来翔(あすか)(茨城県 11) 一家の大黒柱の「お父さん」が亡くなった。 今、ぼくにとって大きく考えさせられることがありま…

A・ジュリアン『こどもが教えてくれたこと』(2016)

スクラップブックから 朝日新聞2018年7月20日朝刊「ひと」 闘病中でも「今を生きる」子どもたちを映画に撮った アンヌドフィーヌ・ジュリアンさん(44) パリでジャーナリストとして 雑誌や新聞に執筆していた12年前、 長女が「異染性白質ジストロフィー」だ…

移民流入はウソの中で始まっている(エマニュエル・トッド)

スクラップブックから 朝日新聞2018年7月18日朝刊 耕論「鏡を見よう、日本」 エマニュエル・トッドさん(仏人類学者・歴史学者) 行動せず議論 移民は流入 来日はこれまで16、17回になりますが、 今はこう考えています。 人口動態危機について、 日本人には…

忘れてくれて ありがとう(久保純子)

スクラップブックから 朝日新聞2018年5月11日朝刊 読者投稿欄「ひととき」 忘れてくれてありがとう 山口県柳井市 久保純子(パート 64歳) 今年95歳になる父は、 庭に小さな菜園を作って野菜を育てている。 (略) ところが困ったことに、 野菜以外の植物に…

育児のこぼれ球を、誰かがすかさず拾う

スクラップブックから 朝日新聞2018年5月1日朝刊 松村圭一郎のフィールド手帳 家事も育児も 芸術的な連係 エチオピアの村の朝。 農家の女性たちがコーヒー豆の選別作業をしていた。 親戚の女性も手伝いに加わる。 生後8ヶ月の娘のいる母親が忙しそうに動き回…

分からないかもしれないけれど、一緒に考えたいよ

スクラップブックから 朝日新聞2018年2月1日朝刊 「小さないのち 悲しみと歩む」(3) あなたの言葉 信じるよ 虐待受けた私 同じ子増えたら嫌 長野県の石坂好恵さん(23)は、 虐待やいじめを受けている子どもたちのSOSに 耳を傾ける活動に取り組んでいる。 …

みず色のしょっぱい涙

スクラップブックから。 讀賣新聞2017年10月20日朝刊 僕が楽しみにしている「こどもの詩」の一篇。 だきしめられる心 高橋 華 お母さんが 優しくだきしめてくれた 心が温かくなったと思ったら みず色のしょっぱい涙が 幸せそうに あふれていた (茨城県東海…

池内紀『すごいトシヨリBOOK』(毎日新聞出版、2017)

僕が著者に興味を持つようになったのは ドイツ語学者・関口存男の仕事を ウィトゲンシュタインの業績と比較した著書を読んでからだ。 今度の新刊はすでに3刷と好調の様子。 池内紀(おさむ)『すごいトシヨリBOOK— トシをとると楽しみがふえる』(毎日新聞出…

原田大助/山元加津子『さびしいときは心のかぜです』(1995)

勤めている会社で社員のこどもたちに 会社見学をしてもらうイベントがあった。 小学校低学年のこどもたちに絵本の読み聞かせをするので 不要になった本を寄付してほしいと呼び掛けがあった。 さびしいときは心のかぜです作者: 原田大助,山元加津子出版社/メ…

したの どうぶつえん いこうね

きょうのスクラップブックから。 讀賣新聞2017年6月27日朝刊。 「こどもの詩」 どうぶつえん 蛭田 樹季(ひるた いつき) ばあば ありあと こんど したの どうぶつえん いこうね (千葉県流山市・麗澤幼稚園年少) うえの(上野)動物園にいった 帰りの言葉…

わたしもそういう草なのさ

きょうのスクラップブックから。 讀賣新聞2017年4月30日。 連載50周年を迎えた人気コラム「こどもの詩」。 第四代目選者、詩人の平田俊子さんのインタビュー。 「涙がこぼれることを、こんなふうに表現できるんだ」 と平田さんはこの詩を取り上げた。 なみだ…

さむいひは おとくだよ

スクラップブックから。 讀賣新聞2017年4月27日朝刊/28日朝刊。 讀賣の連載コラムで 僕が楽しみにしているのが「こどもの詩」。 びっくりするくらい新鮮な視点、言葉づかいの詩に 出会えることがある。 おとく 吉永塁・6歳 ママ いつでも ぼくのこと ギュー…

2人は手をつないで電車に飛び込んだ

きょうのスクラップブックから。 讀賣新聞2017年4月25日朝刊。 ベタ記事で気になる事件があった。 見出しはこうだ。 電車に飛び込み 高齢2女性死亡 小田急・柿生駅 僕が目にとまったのは以下の文章だ。 神奈川県警麻生署の幹部によると、 ベンチに座っていた…

ベニヤ板でこしらえた社会

きょうのスクラップブックから。 朝日新聞2017年2月21日朝刊。 「オピニオン&フォーラム」の読書投稿。 埼玉県34歳主婦・村田優さん。 保育園に落ちた。 もうすぐ2歳になる娘を抱えて就活し、 やっとの思いで内定をもらい、 4月から働く予定だった。 辞退す…