クリッピング

保育園児は木の芽草の芽(諸井末男)

クリッピングから 讀賣新聞2024年3月25日朝刊 読売歌壇(俵万智選) 今週の好きな歌3首、抜き書きします。 残雪に明るむ庭に遊びゐる 保育園児は木の芽草の芽 青梅市 諸井末男 【評】まもなくの春。 はつらつと遊ぶ園児たちの様子が目に浮かぶ。 季節に合っ…

ワシーリー・グロスマン/齋藤紘一訳『人生と運命 1』(みすず書房、2012)

ワシーリー・グロスマン/齋藤紘一訳『人生と運命 1』 (みすず書房、2012)を読む。 人生と運命 1【新装版】作者:ワシーリー・グロスマンみすず書房Amazon 腰巻の言葉から引用する。 「200年、出版不可。」 ソ連時代に抹殺され甦った、戦後ロシア文学の最高…

野良インコが梅の花をムシャムシャ食べていた

クリッピングから 朝日新聞2024年3月16日朝刊別刷be 「コロコロ毛玉日記」164(中川いさみ) そうそう、我が家の庭にも このでかい野良インコ、時々やってきます。 カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)作者:柳瀬博一平凡社Amazon…

抑制を鍛えることで、ご褒美へのときめきを取り戻せますよ(中島美鈴)

クリッピングから 朝日新聞2024年3月16日朝刊別刷be 「上手に悩むとラクになる」(臨床心理士・中島美鈴) ある時とない時にめりはりを たとえば、一口サイズのチョコレートの大袋を開けて、 気のむくままに口にするのではなく、 お皿洗いが終わったら一粒、…

いつか終わるとしてもいまじゃなかった(桐島あお)

クリッピングから 讀賣新聞2024年3月19日朝刊 読売歌壇(俵万智選) 今週の好きな歌3首、抜き書きします。 家中に枯れた葉っぱが落ちていて 終着点で二歳はねむる 東村山市 月出里ひな 【評】外遊びで拾ってきた葉っぱだろう。 ヘンゼルとグレーテルのパン屑…

書籍広告:『五木寛之セレクション III』【異国ロマンス集】(東京書籍、2024)

クリッピングから 讀賣新聞2024年3月19日朝刊 書籍広告 『五木寛之セレクション III』【異国ロマンス集】 「霧のカレリア」「ソフィアの秋」他 対談解説(45頁)四方田犬彦 五木寛之セレクションIII【異国ロマンス集】作者:五木 寛之,四方田 犬彦東京書籍Ama…

柑橘系の会話が残る(森久保りりか)

クリッピングから 毎日新聞2024年3月11日朝刊 毎日歌壇(加藤治郎選) 好きな歌3首、抜き書きします。 通学路「これみかん?」「ゆず?」「ゆずだこれ」 柑橘(かんきつ)系の会話が残る 横須賀市 森久保りりか <評>生徒の会話を聞いている。 みかんとゆず…

研究社辞書編集部編『コンパスローズ和英ライティング辞典』(研究社、2023)

研究社のXのポストで初版品切れが続いていた本書が 重版出来したことを知った。 アプリで在庫を確認してBOOK 1st. 新宿本店にプチ遠征する。 研究社『コンパスローズ和英ライティング辞典』 (研究社辞書編集部編/崎村耕二・Laurel Seacord監修、2023)を購…

恩田陸『灰の劇場』(河出文庫、2024)

恩田陸『灰の劇場』(河出文庫、2024/河出書房新社、2021)を読む。 灰の劇場 (河出文庫)作者:恩田陸河出書房新社Amazon 「文庫版 あとがき」から引用する。 『灰の劇場』は、雑誌「文藝」に、 2014年から2020年にかけて、六年にわたり連載したものだ。 フ…

東京の言葉で綺麗に笑われた春(中島遙)

クリッピングから 讀賣新聞2024年3月11日朝刊 読売歌壇(俵万智選) 今週の好きな歌3首、抜き書きします。 方言で喋ってみてよ 東京の言葉で綺麗に笑われた春 小金井市 中島遙 【評】地方から東京へ転校した場面だろうか。 ただ方言が珍しいという意味ではな…

あっ! 目を落とした

クリッピングから 朝日新聞2024年3月9日朝刊別刷be 読者投稿欄「いわせてもらお」 ◉「目」違い 「あっ! 目を落とした」 と大きな声を出したら、 10歳の孫が飛んできて 「あるやんか」とまじまじと私を見る。 落としたのは編み始めたベストの目だよ。 (神戸…

うちの猫らは仲良し感がない

クリッピングから 朝日新聞2024年3月9日朝刊別刷be 「コロコロ毛玉日記」163(中川いさみ) 我が家でも大王、楽浪(ささなみ)は 仲が良いやら、そうでもないやら、謎のままです…

ババなんて持っていないの顔をする(富見井 高志)

クリッピングから 讀賣新聞2024年3月4日朝刊 読売歌壇(俵万智選) 今週の好きな歌3首、抜き書きします。 ババなんて持っていないの顔をする 近ごろどうだと娘に問えば 東京都 富見井高志 【評】父は、娘の表情に 何かしら心に隠し事がある気配を感じたのだ…

朝 起きた時は吐いた物がないかどうか調べる

クリッピングから 朝日新聞2024年3月2日朝刊別刷be 「コロコロ毛玉日記」162(中川いさみ) 我が家で吐く猫と言えばもっぱら大王ですが、 さて中川家では……

そこで働いている人たちは、特権階級に仕える「召使」階級です(斎藤幸平)

クリッピングから 毎日新聞2024年3月2日朝刊 <コモンエイジ 公共のかたち> 東京大准教授 斎藤幸平さんインタビュー 少子化 資本主義の失敗 東京は人口を他の都市から吸い上げるけれど、 それを食い潰すだけで次の世代が生まれてきません。 自分たちではエ…

紙の裏に私が料理をしている絵が描いてあった

クリッピングから 朝日新聞2024年3月2日朝刊別刷be 読者投稿欄「いわせてもらお」 ◉ウチの大学生その1 試験の結果によっては留年しそうな大学生の息子。 「そろそろ首をくくって勉強しないと」。 それって、絶望的ってこと? (東京都東久留米市・腹をくくっ…

こ、こ、ろって落ちた消しゴム拾い上げ(初夏みどり)

クリッピングから 毎日新聞2024年2月26日朝刊 毎日歌壇(加藤治郎選) 今週の好きな歌3首、抜き書きします。 こ、こ、ろって落ちた消しゴム拾い上げ 僕は明日から帰宅部になる 堺市 初夏みどり <評>部活をやめる。心が折れたのだ。 初句は心と消しゴムが転…

身体に浸み込み、身体に叩き込まれるような言葉を書く

クリッピングから 集英社PR誌「青春と読書」2024年3月号(No.572) 「本を読む」 内田樹 頭より先に、身体に浸み込んでくる言葉 『鈴木邦男の愛国問答』鈴木邦男 著 /マガジン9編集部 編/白井聡 解説(集英社新書) 鈴木邦男の愛国問答 (集英社新書)作者:…

私は、この原稿を書きたかった。紙の上に書きたかった。孤独な言葉を書きたかった(最果タヒ)

クリッピングから 筑摩書房PR誌「ちくま」2024年3月号(No.636) 最果タヒ「最果からお届けします」95 真夏の夜以外も常にある夢 (表紙絵 市川春子/表紙・本文デザイン 名久井直子) 夢と言っても、演じるとか嘘をつくのではなくて、 人は長くても100年し…

コンテンポラリー・ダンスを踊るレジ袋(鎌田如水)

クリッピングから 讀賣新聞2024年2月26日朝刊 読売歌壇(俵万智選) 今週の好きな歌3首、抜き書きします。 空っぽのわたしがさみしそうだから 造花みたいな予定で埋める 越谷市 あきやま 【評】空っぽ→花瓶→造花という連想だが、 花瓶と言わないところが工夫…

夜 布団の上でふみふみしていると性格が変わる

クリッピングから 朝日新聞2024年2月24日朝刊別刷be 「コロコロ毛玉日記」161 (中川いさみ) 中川家では今夜も、 (シャッ シャッ シャッ シャッ) テツのふみふみマッサージが続いている……

政治資金収支報告書を調べ直し、東京地検に刑事告発した人

クリッピングから 朝日新聞2024年2月24日朝刊別刷be 「フロントランナー」公権力の暴走を止める 上脇博之(かみわき ひろし)さん(65歳)神戸学院大学教授 トレードマークのバンダナは大学浪人の頃から。法廷でも外さなかった。 「職員は注意したけど、裁判…

思い出の読売文学賞アンケートから

クリッピングから 讀賣新聞2024年2月19日朝刊 読売文学賞 75回を迎えて 「思い出の読売文学賞アンケート」から抜き書きする。 【小説賞】 安部公房『砂の女』 「いま読んでも作家の想像力と知性に圧倒される」(須永紀子) 和田芳恵『接木の台』 「こんな地…

僕の脳君が指令を出して、口をオフにしているんだよ

クリッピングから 朝日新聞2024年2月17日朝刊 読者投稿欄「いわせてもらお」 ◉制御中 7歳の孫が遊びに来た。 冗舌な孫が、この日に限って口数が少ない。 「今日は何でしゃべらないの?」と聞くと、 「僕の脳君が指令を出して、 口をオフにしているんだよ」。…

まだ慣れてゐないだけだよ靴擦れに(小金森まき)

クリッピングから 讀賣新聞2024年2月19日朝刊 読売歌壇(俵万智選) 今週の好きな歌3首、抜き書きします。 銀紙がきみに折らせた鶴三羽 翼にミントの香りを残す 大和郡山市 大津穂波 【評】まるで銀紙が望んで転生し、 前世の香りを残す鶴になった物語のよう…

ロシアという大地の重さやそこに潜む「狂気」(新実徳英)

クリッピングから 朝日新聞2024年2月17日朝刊 読書欄「ひもとく」冬に読みたくなる本 作曲家 新実徳英 冷たいからっ風に吹きさらされるのは勘弁願いたいが、 良く晴れた日の朝、 キリッと冷えた空気の中に身を置くと、 感性が引き締まり思考が深まる本が読み…

マティス 自由なフォルム@国立新美術館

クリッピングから 讀賣新聞2024年2月12日朝刊 「マティス 自由なフォルム」14日から国立新美術館で (「ダンス」制作中のマティス) マティスの晩年の作品、 ニース近郊ヴァンス礼拝堂内面が再現されると聞いて 行ってみたくなった。 少し落ち着いた頃を見計…

古希越えし吾に復職依頼書が(岡本雅子)

クリッピングから 讀賣新聞2024年2月12日朝刊 読売歌壇(栗木京子選) 好きな歌3首、抜き書きします。 電線がびぃーんと唸る曇天に 雪の降り積む能登の記事読む 鹿嶋市 大熊佳世子 【評】被災地の天候が 穏やかでありますように、と祈る日々。 電線の鳴る「…

鍵盤でトランポリンをするように(田中澄子)

クリッピングから 讀賣新聞2024年2月12日朝刊 読売歌壇(俵万智選) 今週の好きな歌3首、抜き書きします。 一枚の葉もなきいちやうの並木道 遠近感が夏とは違ふ 匝瑳市 椎名昭雄 【評】葉が繁っていれば、 光や風が伝えてくる情報も多い。 遠近感という語が…

どんだけ貧乏性なのか…

クリッピングから 朝日新聞2024年2月10日朝刊別刷be 「コロコロ毛玉日記」159 (中川いさみ) 我が家でも大王、楽浪(ささなみ)の陣取り合戦が 日々活発に繰り広げられています。