「いた」としか言いようのない猫だった(関村初美)

クリッピングから 毎日新聞2023年5月8日朝刊 読者投稿欄「女の気持ち」 猫がいた日々 朗読教室に通っている。 絵本の「100万回生きたねこ」をいつものように読み始めたのだが 突然、声が詰まり、涙まであふれてきた。 数日前、猫が死んだ。 ペットとか、飼っ…

フロマートカの新刊神学書を救出した

神保町の貸棚共同書店 PASSAGE(パサージュ)で借りている 「大王グループ」書棚に搬入した一冊。 『危機の時代の神学:フロマートカ著作選』(平凡社、2023)。 作家/元外務省主任分析官・佐藤優さんが10年かけて完成した神学書だ。 (大王グループ棚の本…

PASSAGEからPaper Back Cafeへ

神保町の貸棚共同書店PASSAGE(パサージュ)で借りている 「大王グループ」の棚に5冊搬入。 2月に続いて、今年2回目。 今回はスタッフ(su)さんがアシストしてくれた。 (新機軸・無料ボックス。展覧会チケット、PR誌バックナンバーを置いた) 一日店長を務…

エマニュエル・トッド/堀茂樹訳『我々はどこから来て、今どこにいるのか?(下)ーー民主主義の野蛮な起源』(文藝春秋、2022)

エマニュエル・トッド/堀茂樹訳 『我々はどこから来て、今どこにいるのか?(下) ーー民主主義の野蛮な起源』(文藝春秋、2022)を読む。 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源 (文春e-book)作者:エマニュエル・トッド文藝春秋…

エランベルジェ/中井久夫『いろいろずきん』(みすず書房、1999)

中井久夫さんの絵がなんとも愛らしい。 アンリ・フレデリック・エランベルジェ (精神医学者、精神医学史家)との共作。 『いろいろずきん』(みすず書房、1999)を眺め、読む。 いろいろずきん作者:エランベルジェみすず書房Amazon この童話絵本の「まえが…

中井久夫『こんなとき私はどうしてきたか』<シリーズ ケアをひらく>(医学書院、2007)

寝る前に少しずつ噛み締めるながら読む。 中井先生のケアを受けているような気持ちになる。 中井久夫『こんなとき私はどうしてきたか』 <シリーズ ケアをひらく>(医学書院、2007)。 こんなとき私はどうしてきたか (シリーズ ケアをひらく)作者:中井 久夫…

永井玲衣『水中の哲学者たち』(晶文社、2021)

クリッピングから 毎日新聞2023年3月27日朝刊 「メディアの風景」武田徹 若手研究者の哲学エッセー 活字に託す「対話」の場 東京都内の大型書店を訪ねて驚いた。 哲学関係の品ぞろえに予想以上の充実があったからだ。 特に「哲学」の棚に設置されていた 「哲…

エマニュエル・トッド/堀茂樹訳『我々はどこから来て、今どこにいるのか? (上) ーアングロサクソンがなぜ覇権を握ったか』(文藝春秋、2022)

国家が家族を規定するのは分かるが、 家族構造が国家を規定するということがあるのか。 エマニュエル・トッド/堀茂樹訳 『我々はどこから来て、今どこにいるのか? (上) ーーアングロサクソンがなぜ覇権を握ったか』 (文藝春秋、2022)を読む。 我々はど…

藤野千夜『団地のふたり』(U-NEXT、2022)

原田ひ香さんがツイッターで紹介していた作品。 藤野千夜(ちや)『団地のふたり』(U-NEXT、2022)を読む。 ゆるふわの友人関係、なんかホッとするんだなぁ。 団地のふたり作者:藤野 千夜U-NEXTAmazon(装画/北澤平祐、装丁/鈴木久美) アマゾンの紹介文…

エマニュエル・トッド/片山杜秀/佐藤優『トッド人類史入門 西洋の没落』(文春新書、2023)

『文藝春秋』2023年1月号掲載の鼎談が面白かった。 新書化を待っていた一冊。 エマニュエル・トッド/片山杜秀/佐藤優 『トッド人類史入門 西洋の没落』(文春新書、2023)を読む。 トッド人類史入門 西洋の没落 (文春新書)作者:エマニュエル・トッド,片山 …

佐藤優評:勅使河原真衣『「能力」の生きづらさをほぐす』(どく社、2022)

クリッピングから 毎日新聞2023年3月11日朝刊 「今週の本棚」佐藤優評(作家、元外務省主任分析官) 『「能力」の生きづらさをほぐす』勅使河原真衣著(どく社・2200円) 「能力」の生きづらさをほぐす作者:勅使川原 真衣どく社Amazon 2020年に勅使河原氏に…

中井久夫『治療文化論ー精神医学的再構築の試み』(岩波現代文庫、2001)

眠る前にゆっくり少しずつ読む。 心のケアを受けているような気分になる。 中井久夫『治療文化論ー精神医学的再構築の試み』(岩波現代文庫、2001)。 治療文化論: 精神医学的再構築の試み (岩波現代文庫)作者:中井 久夫岩波書店Amazon Eテレ「100分de名著」…

石井哲代・中国新聞社『102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』(文藝春秋、2023)

クリッピングから 朝日新聞2023年3月11日朝刊 「読書」欄 <売れてる本> 『102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』 石井哲代、中国新聞社 <著> 102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方 (文春e-book)作者:…

「100分de名著/中井久夫スペシャル」プロデューサーAのこぼれ話

2022年12月放送「100分de名著/中井久夫スペシャル」 (指南役:斎藤環)を再視聴する。 斎藤執筆のテキストも併読&再読。 中井久夫スペシャル 2022年12月 (NHKテキスト)作者:斎藤 環NHK出版Amazon 番組ホームページからプロデューサーAの言葉を引用する。 …

『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』巨大POP出現!

S図書館に行ったついでに 紀伊國屋書店S店に寄り道。 おおお、『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』の巨大POPが! これは楽しい。 ふしぎ駄菓子屋 銭天堂作者:廣嶋 玲子偕成社Amazon

小川哲『地図と拳』(集英社、2022)

「本の雑誌」2023年1月号で作家・鏡明が SF部門で「註釈付き」第10位選出。 気になってメモしておいたら、 あれよあれよという間に直木賞(2022年下半期)受賞。 小川哲(さとし)『地図と拳』(集英社、2022)を読む。 地図と拳 (集英社文芸単行本)作者:小…

『安倍晋三 回顧録』(監修:北村滋、聞き手:橋本五郎・尾山宏)(中央公論新社、2023)

僕が回った書店はすべて品切れ、増刷待ち。 早く読みたかったので電子書籍で購入。 『安倍晋三 回顧録』(監修:北村滋)(中央公論新社、2023)を読む。 安倍晋三 回顧録作者:安倍晋三,橋本五郎,尾山宏中央公論新社Amazon 聞き手・橋本五郎、尾山宏の 「な…

谷川浩司『藤井聡太はどこまで強くなるのかー名人への道』(講談社+α新書、2023)

クリッピングから 朝日新聞2023年2月18日朝刊 読書欄「著者に会いたい」 『藤井聡太はどこまで強くなるのかー名人への道』 将棋棋士、十七世名人 谷川浩司さん(60) 藤井聡太はどこまで強くなるのか 名人への道 (講談社+α新書)作者:谷川浩司講談社Amazon …

佐藤優評:『安倍晋三 回顧録』(北村滋監修/橋本五郎・尾山宏)(中央公論新社、2023)

クリッピングから 毎日新聞2023年2月11日朝刊 「今週の本棚」佐藤優(作家、元外務省主任分析官)評 『安倍晋三 回顧録』北村滋監修(中央公論新社・1980円) 安倍晋三 回顧録作者:安倍晋三,橋本五郎,尾山宏中央公論新社Amazon 去年7月8日に安倍晋三元首相が…

佐藤良明『英文法を哲学する』(アルク出版、2021)

英文法と哲学がいったいどんな関係を持っているんだろう。 佐藤良明『英文法を哲学する』(アルク出版、2021)を読む。 英文法を哲学する作者:佐藤 良明アルクAmazon 「おわりに」から引用する。 私はこれまで英語または英語教育について、 いろいろな場でお…

荒木一郎『ありんこアフター・ダーク』(河出書房新社、1984/小学館文庫、2014)

荒木一郎『空に星があるように 小説 荒木一郎』(小学館、2022) に続いて連読。 荒木一郎『ありんこアフター・ダーク』(小学館文庫、2014)を読む。 ありんこアフター・ダーク (小学館文庫)作者:荒木 一郎小学館Amazon(装幀:和田誠) 川本三郎(評論家)…

舛添要一選:シュテファン・ツヴァイク/山下肇訳『ジョゼフ・フーシェ ある政治的人間に肖像』(潮文庫、1971)

クリッピングから 毎日新聞2023年2月4日朝刊 「今週の本棚/なつかしい一冊」舛添要一(国際政治学者)・選 『ジョゼフ・フーシェ ある政治的人間の肖像』 シュテファン・ツワイク著 高橋禎二・秋山英夫訳(岩波文庫 1122円) ジョゼフ・フーシェ―ある政治的…

戦争が進行してゆく「過程」なら、平和は揺らぎのある「状態」だ(中井久夫)

クリッピングから 朝日新聞2023年2月4日朝刊 折々のことば(鷲田清一) 2636 戦争を知る者が引退するか世を去った時に 次の戦争が始まる例が少なくない。 中井久夫 戦争が進行してゆく「過程」なら、 平和は揺らぎのある「状態」だと精神科医は言う。 それは…

藤原辰史評:コンラート・H・ヤーラオシュ/橋本伸也訳『灰燼のなかから(上・下) 20世紀ヨーロッパ史の試み』(人文書院、2022)

クリッピングから 朝日新聞2023年1月28日朝刊 <読書欄> 『灰燼のなかから(上・下) 20世紀ヨーロッパ史の試み』 コンラート・H・ヤーラオシュ著 橋本伸也訳 (人文書院 各6050円) 評・藤原辰史 (京都大学准教授・食農思想史) 灰燼のなかから 上: 20世…

絶望的な状況の中で見いだされるようなものでなければ、希望の名に値しない(柄谷行人)

クリッピングから 朝日新聞2023年1月28日朝刊 2022年度朝日賞受賞スピーチ 哲学者・批評家 柄谷行人さん 力と交換様式作者:柄谷 行人岩波書店Amazon 朝日賞受賞は、私が昨年秋に出した 「力と交換様式」が評価された結果だと思います。 これは、私が長年取り…

「個人商店」にしかできないことをシャベル1本でやろう(星野博美)

クリッピングから 朝日新聞2023年1月28日朝刊 第49回大佛(おさらぎ)次郎賞受賞スピーチ ノンフィクション作家 星野博美(ほしの ひろみ)さん 世界は五反田から始まった (ゲンロン叢書)作者:星野 博美株式会社ゲンロンAmazon(受賞作「世界は五反田から始…

荒木一郎『空に星があるように 小説 荒木一郎』(小学館、2022)

荒木一郎『空に星があるように 小説 荒木一郎』を読んでいたら、 「杉田敏」の名前が突然飛び出した。 空に星があるように ~小説 荒木一郎~作者:荒木一郎小学館Amazon(ブックデザイン 鈴木成一デザイン室) 【音声DL付】 杉田敏の 現代ビジネス英語 2023…

紀伊國屋書店ロゴ・文庫ブックカバー(税込1,430円)を買いました

紀伊國屋書店ウェブストアで見かけた文庫用ブックカバー。 普段の紙カバーかなと思ったら、 実はブックカバーだったというのが面白い。 2027年1月(まだずいぶん先ですが)に創業100周年を迎える 紀伊國屋書店オリジナルグッズシリーズの一点です。 S図書館…

Eテレ <読書の森へ 本の道しるべ> ⑥ 堀川理万子

Eテレ読書の森へ 本の道しるべ を見る(全8回) (初回放送日: 2023年1月17日) (番組ホームページから) 「概要」を引用する。 たくさん入り口があって、だれでも自由に入れる「読書の森」。 各界の本好きが自身の本棚をたっぷり紹介し、 道しるべとなって…

MARUZEN & ジュンク堂書店渋谷店、1月31日閉店

東急百貨店渋谷本店が1月いっぱいで営業終了するため、 7FのMARUZEN&ジュンク堂も閉店する。 半年に一回、緑内障の検診で出掛けた帰りに寄ることにしていた。 棚揃えが見やすく、時期ごとのフェアも楽しい書店だ。 町の小さな店だけでなく、大書店もさまざま…